- 飲食店では客単価と言ってお客様一人当たりの売上を数的指標に使います。客単価×客数=売上です。
客単価を上げようとする際によく考えられるのが飲み物やデザートの提供です。飲み物で100~200円、デザートで200~300円程度の客単価アップを見込みます。
お客様に声がけするときにやってしまいがちなのが「食後のお飲み物はいかがですか?」「食後のデザートはいかがですか?」です。これだと「頼む 頼まない」の2択になってしまいます。いわば断りの口実をこちらから与えてしまっている訳です。
この場合、「コーヒーか紅茶はいかがですか?」「リンゴのタルトかイチゴのショートケーキはいかがでしょうか?」とするとどちらかを選ぶことにすることでご注文をいただく可能性が高まります。
昔、究極の選択というテレビ番組がありました。どちらかを選び必要など全くないのにどちらかを選ばなければいけない気持ちになりました。よく覚えているのは「父親にするならどちらが良いか」で超スパルタ父親巨人の星の星一徹かバカボンのパパのいずれかを選ぶかのまさに究極の選択でした。
異性を食事に誘う際にはこう使います。「今からごはんに行こうよ」。これは先ほどと同じく断りの口実を与えてしまうだけですね。例えば「お寿司屋に行くかイタリアンに行くか、迷ってるんだけどどちらが好き?」「イタリアン」「じゃあ、今から一緒にイタリアンに行こうか」とそもそもいずれかに行くことは前提として話してしまうのです。こうすることで相手から断られる可能性を大きく下げます。
この方法をダブルバインドと言います。
もうひとつがドアインザフェイスです。大きなことを言ってから、断られると話を小さくして要求を通す技です。
例えば「50,000円貸して」と言えばなかなか高額なのですぐには貸せないので「それは貸せない」と一回断られますが、その後要求を下げて「ウソでした。10,000円貸して」と話すと相手は一回断ってしまった後ろめたさがある上に、額が下がったことで「それくらいなら」と思うので貸してくれやすいという状況を作れます。
異性を食事に誘う時は「週末、二人で温泉に行こうか?」と誘い、断られ、「冗談冗談!今度ごはん行こう」と誘えば食事に行ける確率は上がります。
20年以上前ですが、この二つを組み合わせたことがあります。
「俺の奥さんになるか、彼女になるか、付きあうか、どれか選んで。他の選択肢は無しで」
相手の選択は「付きあう」でした。