よく、小菅さんの得意な業界は?と聞かれます。こういった時はこのようにこたえています。
「基本的に不得手な業界はありませんが、ご依頼が多いのは建築・不動産業、物流業、病院・介護業、製造業、自治体です。」
それぞれ理由がありますが、建築・不動産については元々不動産会社の息子であることが大きいです。常に土地に関する裁判や争いに子どもの頃から接していましたし、高校生の時(16歳)に父が不在時にはスーツを着てネクタイを締めて土地の境界争いに行ったこともあります。父は勤めていた会社を退職後、三重県伊勢市のランドマークだった百貨店の管理会社の社長をしていた時、最悪な事態になれば私の実家が14億円の負債を追わなければいけないといった非常事態に11年関わりました。新卒時は三菱ふそうでトラックの営業をしていました。トラックは現場で使うものなのでその現場に合わせてカスタマイズをします。現場の状況を分かっていなければトラックを作れませんので、自然と建築にの知識が付いていきました。また、不動産ファンドと賃貸物件の保証会社に在籍したこともあります。建築の最大手の会社M社様や、マンションのブランドが有名なD社様他多数の実績があります。現在、建築部門のある会社の人事顧問をしております。
物流についても三菱ふそうでの経験は大いに役立っています。
先日、1週間で建築会社2社、産業廃棄物業者向けのセミナー、自動車の輸送の会社と立て続けに4件の新規研修のご依頼がありました。これはふそうにいたおかげで取れた案件です。
病院・介護については30代の頃に当時最大手の介護会社であったコムスンに在籍して、京都府と滋賀県のエリアマネージャーになり、認知症のグループホームの営業で病院やケアマネージャー相手の営業を行い、そのホームを満室にしたら20か所近いホームの運営をした経験が生かせています。
製造業は、父が製造会社にいたので子どもの頃から工場に出入りしていたこと、大学生になった時に父の実家である小菅家に養子入りしましたが、そこが工場をやっていて手伝いをしていたこと、大学で中学の技術や高校の工業・農業等の教員免許を取る学科にいたので、旋盤、ボール盤などを扱い、溶接の経験もあることといった経緯で一通り製造業の皆様がやっていることを経験していることが大きいです。
自治体は仕事を受けていくうちに経験値を付け、2,000件ほどの事例を蓄積した結果、完成度が非常に高い自治体向けの研修が出来上がっていきました。
さらに最近では小売り・スーパー・商業施設、飲食店などのカスハラが多い業種からも良く声がかかります。三重県のスーパーチェーン、飲食チェーンでは研修とガイドライン作成を行いましたし、サッカーのJ2Vファーレン長崎の本拠地である新設された長崎スタジアムシティの研修も7月に担当しました。
カスハラから大事な従業員を守ることを企業に義務付ける法改正が目の前に迫っています。そのために研修やガイドラインの作成が必須となってまいります。
「法律に基づいてグ遺体的な言い回し、対応、コミュニケーション、の取り方と110番通報基準を具体的に学ぶ研修と、明確なルールであるガイドライン作り」
これこそがサミット人材開発株式会社の真骨頂です。弁護士方々の法律論の研修は必要ですが、コミュニケーションの取り方は学べません。マナーやコミュニケーションの先生はその内容を教えることはできますが、法律をご存じではありません。小さい頃から裁判や争いごとを見てきており、職業柄色んなもめごとの相談や支援をしてきた中で法律の実務や警察の動かし方も覚えました。また、受講生に法律の専門家や警察の方が毎年参加される中、議論ができたことも大きかったです。来るべき法改正に向け、ぜひお気軽に弊社にお問い合わせをくださいませ。
この3年ほどでカスタマーハラスメント対応のガイドラインを10社くらいで作ったり、監修しました。ガイドラインとマニュアルの違いはCANかMUSTです。ガイドラインは「こうしてもいいよ」で、マニュアルは「こうしなさい」です。クレーム対応には決まったマニュアルよりも、「このような状況になればこうしてもいいよ」としておいた方が働き手としては気が楽になるわけです。
以前監修したある化粧品会社では、5~6年前から男性が化粧をするようになったのでデパート・百貨店・ドラッグストアなどのお店に男性が来客する機会が増え、その対応に困っていました。対応するのは女性の美容の専門家。美容のプロなので容姿に大変気を払っており、大変接遇のレベルが高いので、若い男性には「この子、俺に気があるんじゃないか」と勘違いをさせてしまうことがあり、「どのあたりで飲んでいるの?」「どこに住んでいるの?」とプライベートに踏み込まれたり、1日のうちに何度も来店したりといったストーカーまがいなことをされたり、と言うような感じでどのように対応していいのかがわからず、大変困っておられました。そこで「断ることだったらこの人だ!」とありがたいことに私に白羽の矢が立ち、ガイドラインの監修をすることになりました。基本的な考えとしては「毅然と断るべきことは断る」「美容以外の話はしない」といったコンセプトで作成しました。
例えば
・プライベートなことを聞かれた場合は、「私は美容のプロですのでプライベートな事等美容以外の話はしません」と断る
・男性の化粧にはそんなに時間はかからないので来店は1日1回まで、1回15分で帰ってもらう
・フルネームの名札を付けているとSNSで特定されるリスク、また馴れ馴れしく下の名前を呼ばれるので名字だけにする
・転勤があった場合、異動先は教えない
・おみやげは一切貰わない
といったルールを徹底的に作りました。完成後、現場の皆様には大変好評でした。「これで男性は全く怖くない」ということで安心いただける結果となりました。
私のクレーム・カスハラ対応の研修やガイドライン作りはこのように「働き手が前向きな気持ちで安心安全に働くことが出来ること」が目的です。少子化が進み、働き手の確保が難しい中、貴重な人財をクレームやカスハラで失ってしまうのは企業や組織にとって大きな痛手です。そのような事態を防いでいきたいとお思いでしたらお気軽に私にご相談ください。
3年ほどほぼブログをお休みしていたのですが、またボチボチやっていこうかなと思って再開しました。改めてよろしくお願いいたします。
企業の人事顧問をしているので若手社員と接する機会があります。また、若手の研修を担当することもあり、先日は自治体で新卒2年目の研修でちょうど100名の若手職員たちと接しました。このような機会も多くあります。
若手から良く聞く言葉が「コスパ タイパ」です。コストパフォーマンス(費用対効果)、タイムパフォーマンス(時間対効果)の略ですが、「ほんとにパフォーマンスなの?」と思うことが多々あります。
良くあるのが「それってやる意味あるんですか?意味のないことはコスパ・タイパ悪いんでやりたくありません。」といったセリフです。これに対してまず言いたいのが、「君は何が意味があって、何が意味がないのか判断できるだけの能力があるのか」ということです。意味があるかどうかなどやってみないと分かりません。そんな判断ができるほど賢い人など世の中にほんのわずかしかいません。君はその中に入っているのかと問いたくなります。
そんな言い方をするときつくなってしまうのでこんな話をします。
「30年前に私は新卒で三菱ふそうに入ってトラックを売っていた。主に販売先は建築会社や物流会社で、そういった会社がどのような事をしているか、現場を見てきた。建築や物流会社の昭和的な古い慣習なども見てきた。トラックは現場の仕事で使うものなので現場を良く知る必要がある。その中で、ごみを回収する車のパッカー車や、自動車を乗せる車載車なんかも売ったことがある。そんな経験が30年経ってからなぜかまとめて活かされた。先月(令和7年8月)で新規で4件研修のご依頼をいただいたんだけど、1つめは建築会社で、建築のことを良く分かっている講師がいいということで6社の研修会社の競合の中から選ばれた。2つめも建築会社で、建築会社の昭和的な古い慣習や起きてしまったパワハラについて話ができるといったことで選ばれた。3つめは自治体の仕事で産業廃棄物の業者向けのセミナーの話、4つめは車両の輸送の会社の研修の話で、パッカー車や車載車を理解している講師などどこを探してもまずいないので単独ご指名をいただいた。その時はこんな経験が何の役に立つのか分からなかったけど、今になって無茶苦茶役に立ったんだ。意味があるかどうかなんて、誰も分からないんだよ。私は30年経ってようやく気付いた。」
こんな実話、話してみると若手に結構響きました。それに付け加えて
「経験値や能力と言うのは成功体験とは比例しない。それらは失敗も含めてトライした回数に比例する。講師の仕事なんてまさにそうで、成功体験よりもどれだけ失敗してきたかを語れる講師の方がいい講師なんだよね。クレームに苦しみまくった話、部下からクーデターされた話、部下からのクレーム、不祥事を告発したら上司に隠蔽され左遷されたこと、仕事と親友と彼女を同時に失ったこと、最速一部上場記録を持っていた会社の不祥事による経営破綻を経験したこと、最速マザーズ上場記録を持っていた会社の隆盛と衰退(リーマンショックで倒産で職を失う。結婚披露宴を行った2か月後の話)、パワハラを受けての退職、コロナ禍の始まりで2か月仕事ゼロ・・・挙げればきりがないけど、こんな経験をしたからクレーム・カスハラ対応、ハラスメントと部下指導、コンプライアンスなんかを語れる訳。失敗体験こそ宝ものなんだよ。」
ここまで話すと本当の意味でのコスパ・タイパを理解させることが出来ます。
管理職の皆様は昔の成功話の自慢はやめましょう。若手が飲み会に来たがらないのは下らない自慢話を聞きたくないからです。今の若手には成長意欲はあります。失われた30年の中で不安な気持ちが強い傾向があるので、しっかりとスキルを身に着けてどこでも通用するようになりたい気持ちがあるからです。失敗することの大事さ、未来に向けての前向きな話をするならば、若手は喜んで一緒に飲みに行ってくれるようになります。
https://keysession.jp/media/cases-of-customer-harassment-at-city-hall-and-countermeasures/
https://keysession.jp/media/cases-of-customer-harassment/
https://keysession.jp/media/customer-harassment-prevention-measures/
コンプライアンス研修の目的や内容などが幅広く紹介されているので、ぜひ以下リンクよりお読みください。
コンプライアンス研修
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明日、本年初回の研修になります。京都府のある自治体での研修ですので前乗りで現地にただいま到着しました。電車ですと奈良回りか名古屋回りになり乗り換えが多いので車できました。雪や凍結になれば電車でと思っていましたが、幸い天気が良くてなによりです。
明日の研修のテーマはカスタマーハラスメント研修です。神奈川県、静岡県、愛知県、三重県、京都府、大阪府、兵庫県、高知県の自治体でクレーム系の研修をやっていますが、年々この需要は増えてきています、特に不当な要求やカスタマーハラスメントには毅然とした対応が求められます。むしろ公務員であるからこそできないことはできないと断るということが必要です。一人の住民に度を越えた特別扱いをするといったことはしてはいけないのです。
特に管理職においては「私が責任者です」といった態度で基本的には最後の壁であるべきです。正当な要求ならば別ですが不当な要求や無理な話に対してこれ以上時間も手間もかけられないのでお帰り下さいと話を聞かない姿勢を示し徹底的に断っていきましょう。
一人の住民のクレーム(ただし住民相手には「ご要望」と言いましょう。クレームといったら俺をクレーマー扱いするのかということになりより激高させてしまう結果になります。)にかける時間の目安ですが、3年くらい前までですと初期対応者が1時間、2次対応者がさらに1時間といった感じでしたが最近ではより短縮されてきています。ある自治体のガイドラインには1事案30分までで打ち切ることが明記されていました。打ち切る時間を短くしていくのは良いことと思います。大体相手の言いたいことなど30分もあれば同じことを3~4回くらい聞くことになりますので、3~4回聞いて、3~4回話をまとめて返して、ということをすれば十分丁寧な対応といえます。そこで話を打ち切るのは失礼なことでは全くありません。
電話で同じような内容の話を何度もしてくる相手には無視を決め込めば良いでしょう。受話器のスピーカーの部分を物理的に防いで「今、物理的に受話器のスピーカーを塞いでおります。従ってあなたの声は聞こえません。この件に関してはこれ以上聞かないと言いました。他の住民の方に費やす時間が必要なのであなたにはこれ以上関わっていられません。電話を切ります。」という風にシャットアウトして行くと良いです。
電話に出ないから窓口に来たら「お帰り下さい」と3度言いましょう。それでも帰らなければ「30秒後に帰らなければ警察を呼びます。不退去罪で退去になりますよ。」と言って時計を無言で30秒見つめてください。それでも帰らなければ110番しましょう。