本日は四日市市役所様でマネジメント研修の講師として登壇してまいりましたが、私は自治体で「公務員倫理とコンプライアンス」を説く研修を年に20回ほど行っています。
教育学部の教員養成課程出身ですので公立中学校で教えるための倫理を学びましたので、それを基本とした内容を提供しています。
倫理とは簡単に言えば「人の輪における決まりごと」「社会で守るべき秩序」です。これを断固果たしていくことが大事です。
昨年の1月、千葉県野田市で小学4年生の女児が父親に虐待死をされるという悲惨な事件がありました。今年の3月に父親の第一審があり、懲役16年が言い渡されました。裁判官の言葉には「むごたらしい」「前例を越えて極めて悪質性が高い」といった表現がありました。それくらい酷いと思う話で、しかも同じ年頃の娘がいる私としては胸が張り裂けそうな強いショックを受けました。
この事件の原因の一つは、学校での虐待についてのアンケートがあり、そのアンケートがあったことを知った父親が教育委員会の担当者に「アンケートを見せろ」と執拗に迫り、虐待をされていると書かれたアンケートのコピーを見せてしまったことです。不当な要求に教育委員会職員が屈してしまった、言い換えれば「人の輪における決まりごと」を踏み越えた対応をしてしまったと言えます。高い職業倫理感が本当に必要だということが分かります。被害者の心愛(みあ)さんには改めて追悼の意を捧げます。
三重県内ほぼすべての自治体の方に私の不当要求対応研修を受けていただいてますが、このような事件を防いでいくためにより強くメッセージを発信していきたいと強く思います。