最近、シューベルトの「魔王」を覚えて車の中で歌っています。有名な詩本日は帰りが遅くなってしまいました。
シューベルトの魔王は詩人のゲーテの詩が歌詞として使われています。ほとんどの方が中学の音楽の時間に習っているはずなので有名な曲ですね。「おと~さん、おと~さん」が印象的です。お腹の底から全力で歌えるので気持ちがとても高揚します。
魔王には語り部、お父さん、ぼうや、魔王の4名(魔王をこのようにカウントしても良いのか分かりませんが)が登場します。色々な解釈がされる歌詞ですが、魔王の甘い誘いがあり、それにぼうやは恐怖しお父さんに訴えかけるもお父さんは魔王の存在に気付かず、最後は魔王にさらわれてぼうやは息絶えるというのがあらすじです。
調べてみると魔王=お父さん説、魔王=病気説など様々な説を見ました。私なりに解釈すると魔王=甘い誘惑なのかなと考えています。
人間には弱った時やつい手を抜いてしまう時があります。「他の人たちも手を抜いているからいいだろう」「一人くらいさぼっていても問題ないだろう」と考えてしまうのが人間です。100年ほど前にフランスの農学者リンゲルマンによって人間は社会的手抜きをする生き物であることは証明されています(リンゲルマン効果)。フリーライダー(ただ乗り)効果とも言います。
甘い誘惑に打ち勝っていくこと、まさにコンプライアンスを考えていく上で必要な考えです。お父さんは魔王の存在に気付いていませんが、もしお父さんが魔王の存在に気付いていたらどうなるかと考えれば、それがぼうやを死なせないための対策になっていたかもしれませんし、ぼうやのようにただ恐れてばかりいるのでは何の解決にもならないとも言えます。このように考えていくとこの詩は「何が問題であるかを正しく強い態度をもって冷静に発見し、甘い誘惑に負けずに正しい対応をしなければならない」という解釈をしてみました。