本日は津市内の建設会社様で研修のお打ち合わせでした。
この分野は得意の一つで東京時代は大手ゼネコン・マンションディベロッパー会社などで多くのご依頼をいただいており、三重県で起業後も5社ほど建設系の会社の研修を実施しています。
コンプライアンスやクレーム対応の他に、社員の方が現場で協力会社の職人さんとのコミュニケーションを良くしたいという研修を承りますが今回はこの内容です。職人さんたちは気難しい方が多く、ものの言い方や聴き方など配慮が必要な場合が多いです。そのため柔らかく伝わる物言いや言いたいことをいかにことを荒げずに伝えるかといったコミュニケーションスキルを身に着ける必要性が生じます。
ものの言い回しというのは本当に「ちょっとしたこと」で大きな差が生まれます。例えば妻から「今日は忙しいから、料理する時間がないからカレーでいい?」と聞かれた場合、「カレーでいいよ」と「カレーがいいよ」の差はととても大きいです。「カレーでいいよ」の場合、いかにも適当にやってくれればいいという感じが出てしまいます。それに対して「カレーがいいよ」ならばカレーを是非とも食べたいという肯定的な感じが出ます。「で」と「が」の差は大きいです。
話の順番も大事です。悪い情報は先に言った方が良いです。例えば「山本さんは仕事が早いけど適当なところがある」だと適当な仕事をする人という悪い印象が残りますが、「山本さんは適当なところもあるが仕事が早い」なら誉め言葉になります。
販売や営業の世界でも売れない販売員・営業ほど「高い」ことを隠そうとして、
「この旅行パックは伊勢志摩をフルに味わっていただくプランで、二見の夫婦岩から外宮・内宮・おはらい町とおかげ横丁をお楽しみいただき、その後志摩に向かい、G7サミットが行われた志摩観光ホテルで海に沈むきれいな夕日をご覧いただきながら、世界一の海鮮フランス料理を味わっていただき、世界の首脳が宿泊されたお部屋にお泊りいただきます。お一人30万円です。」「30万!高い!」となってしまいます。高いことを隠そうとすると実は高いことが目立ってしまいます。
逆に売れる方はこのようにやります。
「この旅行パックは伊勢志摩をフルに味わっていただくプランでお一人30万円とお値段はしますが、二見の夫婦岩から外宮・内宮・おはらい町とおかげ横丁をお楽しみいただき、その後志摩に向かい、G7サミットが行われた志摩観光ホテルで海に沈むきれいな夕日をご覧いただきながら、世界一の海鮮フランス料理を味わっていただき、世界の首脳が宿泊されたお部屋にお泊りいただく伊勢志摩を心より満喫いただくことができます。」
どうでしょうか。30万がどこかに消えてしまいますよね。
ちょっとした言い回しで決定的な差が付くので、言葉を使うということは気を付けてやっちくことと語彙力やスキルを身に着けていくことが大事と言えます。クレーム対応や部下指導などでも同じことが言えます。