ここ10年ほど、高い時計をすることや品質の高い靴を履くことの意味が理解できない若手の営業を多く見ました。単に時計は時間を見るための道具で、スマートフォンがあれば問題ないという考えのようですが本当にそれで良いのでしょうか。
買い手としての私の考えですが、まず身だしなみが整っていない営業は論外です。清潔感があるのは必須で髪型、ネクタイ、シャツ、スーツなど安いものでも良いのできちんと整っていることが第一義です。第一印象は数秒から2~3分で決まります。視覚から入ってくる情報はメラビアンの法則からすると55%です。まずは見た目で損をしないことが大事です。清潔感の無い営業は「はい、さようなら」です。清潔であることと清潔感があることは違います。清潔であることは当然ですが、見た目に清潔に感じるかとは別の話です。清潔かつ清潔に見えることが重要です。
ここで時計や靴の話になります。若い方向けの商材や安い商材を売る場合はそうでないかもしれませんが、一定以上の年齢(40歳以上)のお客様だと時計や靴を見ていますよ。
私は売れている営業からものを買いたいと常々思います。なぜならば良いサービスを受けて満足して買いたいからです。若くてかわいげのある営業の最初の話は聞きますが、導入の話から後の話については仕事のできる上司の同行を求めます。その上司を見る指標の2つが時計と靴です。
売れている営業は良い時計をしています。極端な話ですが昔勤めていた不動産ファンド会社の社長の時計は2、000万円のもの、履いている靴はオーダーメードで片足20万円するものでした。ファンドに投資してもらうよう世界の金融会社やアラブの王族の方に会いに行く際、安物の時計などしていたら話しすら聞いてもらえないのが理由でした。それと同じでお客様は良い時計や良い靴を身に着けているかを見ます。良い時計や良い靴は売れている証なのです。単に時間を見るための道具ではなく、営業としてのステータスを高める武器とでも考えると良いでしょう。
ただ、20代前半であまり高い時計をそのまま付けるのはお勧めできません。生意気と思われてしまいます。私の場合、「父が私が生まれた頃に買った時計を成人の際のプレゼントとして貰ったものなんです」と言ってましたが、これはお客様からの反応がいつも良かったです。最初のボーナスで数万円程度のものでもちょうど良いでしょう。
お金を貯めて20代後半くらいには「年齢万円」くらいのものを購入することをお勧めします。20代後半からは成績の良い売れている営業としてのアピールが必要になってきます。
ビジネスの世界ですと時計の話題になることもあります。私はカルティエのロードスターという時計を身に着けていますが良くかっこいいですよねと言っていただけますし、お客様でもフランクミュラー、ウブロといった非常に目を引く時計をされたお客様と時計を話題に盛り上がったこともあります。
先日、あるお客様がジャガールクルトのレベルソというかなりマニアックな時計をされている方がいました。クリケットの選手が時計に傷をつけないため、試合中は時計の面を表裏ひっくり返すことができるといった珍しい機能がついています。
ジャガールクルト レベルソ
https://jaegerlecoultre.norennoren.jp/products/list.php?category_id=1476
「それ、時計がひっくり返るジャガールクルトのレベルソですよね。おしゃれですね。」と申し上げたところ、
「この時計に気づかれた方は初めてです。さすがコンサルタント・研修講師の方です。」とお褒めいただきました。東京にいた頃、ある世界的ラグジュアリーブランドの仕事をいただいていたので時計の勉強をかなりしたことが生きました。時計の知識があったことで私への評価が上がったわけです。
今回の話は是非時計について考えていただくきっかけにしていただければと思います。