問題解決やコンプライアンスの研修でよくする話しが原因があるから結果があるということで、「風が吹けば桶屋が儲かる」の話を良くします。
この話は江戸時代の話です。当時今のように道路がアスファルトで舗装をされているわけではないので風が吹くと砂ぼこりが舞います。
その砂ぼこりが目に入るので痛くなり医者にかかりますが当時は今のような医師免許制度があるわけではないのでやぶ医者が多かった中、運悪くやぶ医者にかかってしまったせいで失明してしまいます。
失明してしまっても今のように社会保障制度がないので生きていくためには働かなければいけません。そうするとおおよそ光を失った方々の仕事は按摩師をするか三味線引きになるしかないので三味線引きが増えます。
三味線引きが増えると残酷な話ですが三味線の材料として猫が必要になります。そうすると街中で猫が減りますが、そうすると猫の減少に反比例してネズミが増えます。
ネズミは木をかじります。当時の桶は木製でしたのでネズミは桶をかじるのですが、ネズミが増えたのでより多くの桶がかじられてしまった結果、新しい桶が必要になるので桶の需要が増えるため桶屋が儲かるといった因果関係の話です。
このような複雑な因果関係だけでなくシンプルなこともあります。25年くらい前に甥っ子とマリオカートをしていてピーチ姫というキャラクターの声がなぜか聞いたことのある声としか思えず不思議で不思議で仕方なかったのですが、その後あっさり謎が解けました。
大学の同級生と連絡を取った際、その声を聞いた時に分かりました。そういえば任天堂に就職していたなと。世の中、不思議なことはありますが、その理由を知ってしまえば簡単なことだったという典型的な事例です。
コンプライアンスや問題解決を考えていく上で大事なことは「気づく感性」です。常にアンテナ高く、注意深くものを見たり話を聞くことをしていったり、美術、芸術、スポーツなどを見て審美眼を養っていくこと、良い音楽を聴いて感覚を磨いていくことなどしていくことが重要です。ピーチ姫の事例は私がたまたま理由を見つけたというお話でしたが、その当時の私にもっと「気づく感性」があったならばひょっとしたらその同級生の声を改めて聴かずとも気づいていたと思います。その頃は「不思議だ、なんでだろう」としか思えなかったのですが、今の私なら「ゲーム業界、声優に知り合いはいたか。マリオと言えば任天堂。ああ、そういえば任天堂にKさん就職してたな。あ!あの人だ!」と気づいていたと思います。気づく感性を身に着けていけばもやもやしたことも解決していけます。