私のやっている講師業という仕事はアウトプットの連続です。最近の研修はオンライン開催がほとんどですのでこちらが一方的にしゃべる機会も多く、先日のオンラインセミナーでは休憩を3回はさみながら3.5時間話通しでした。
コンプライアンスとクレーム対応の話がオンラインと相性が良いこともありこれらの内容をよく話すのですが、同じようなことを話すたびにどんどん内容がブラッシュアップされていっています。話しているうちに言いたいことが増えていくのです。伝えたいことがより多くなっていくのです。
本当の理解はアウトプットをしている中でできていくものだと思います。研修を受講する側はインプットをしているわけですが、インプットした内容をどんどんアウトプットしていかないと本当に身に着けたことにはなりませんので研修の中では実際にどのようにアウトプットをしていくのかについても触れていきます。
もちろんアウトプットをしていく材料が必要ですのでインプットはしなくてはいけません。私はここ数年年間200~500冊程度の読書をしていますし、コンプライアンス意識の根幹は人として素直に美しいものは美しいと言える、美味しいものを率直においしいと言える美意識だと思っていますので、美術館やお寺やお城や神社などにもよく参ります。
スポーツをするのも見るのも好きです。健康であることは大事ですし、一流のプレイヤーの姿を見ることは躍動する美を楽しめます。また4月にあったゴルフのマスターズ、あれには心の底から感動しました。私は中学生の時から数えてみたら36年マスターズの中継を見てきており、ジャンボ尾崎、今回解説で号泣されていた中島常幸、伊沢利光の4位、片山晋呉の4位、松山英樹の5位、何度高い壁に弾かれたことか。その高い壁を乗り越えた松山英樹選手、本当に素晴らしい。スポーツを見てここまで号泣したことはありません。
コーチング、カウンセリングの技術の中に「沈黙」があります。松山選手の優勝の瞬間から中島・宮里両プロとアナウンサーが55秒沈黙していました。本当の感動があるときに言葉はいらないんだとも感じました。沈黙は合意形成する際などに使いますが、あの55秒は沈黙の効果を学ばせてもくれました。
昔、ある同業者の講師が研修後に言っていた言葉を思い出しました。「こちらは話を出すばかりで栄養を吸われていく一方だ」・・・勉強不足ですね。学びを忘れた講師に先はありません。こうはなりたくないです。
私の師匠である柴田純男先生は73歳ですが大変な勉強家でいらっしゃいます。先日ZOOMで研修の打ち合わせをしたのですが最新の理論を研究されて話に取り込まれていました。聞かせていただいて頭が下がる思いでした。
私自身はまだ一人前では無いとか卑下するつもりは全くなく、もう充分世の中に広く認められた講師と自分で思っているのでがまだまだとは思いません。それより「もっともっと」成長していきたいという意欲が強い状態です。もっと世の中にお役に立てる仕事を誠実にやり抜いていきたいと強く思います。