管理職研修やOJT指導者研修などで自己紹介の後に良くする質問があります。「最近の若いやつはというセリフはいつからありますか?」
これを聞くと40年くらい前とか昭和の半ばくらいといった答えが返ってくることが多いのですが、正解は・・・
4,000年前です。
エジプトで古代文字を解析したらその手の言葉が出てきたそうです。日本でもおよそ1,000年前の平安時代の文献にそのたぐいの文言が発見されています。これらはいつの時代であっても世代間ギャップはあることを示していています。
私は最近の若いやつはというセリフを使ったらおじさんぽい(十分におじさんなのですが)のでずっと使わないようにしていましたが、2年ほど前に当時26歳の甥についこの言葉を使ってしまいました。3日くらいこの言葉を使ってしまったことで精神的に結構堪えてしまったことを覚えています。
甥ぐらいの世代ですと物心がついた頃には携帯電話が普及していました。私の娘は小学校5年生ですが、この世代は既にスマートフォンが普及していた世代です。特に使い方を教えたわけではないですが、妻や私のスマートフォンを使っています。世代間ギャップができるのは必然と言うことです。
私は団塊ジュニア世代真っただ中の昭和46年度生まれです。中学校では私の学年だけ10クラス(1つ上、1つ下は9クラス)で、1クラス43~44人で教室はぎゅうぎゅうでした。生徒一人ひとりに教師の目はとても届かないような状況でした。
大学受験の時はバブル真っ盛りで1校受けるのに3万円くらいの受験料がかかるのを一人20校くらい受けるのが当たり前の時代でした。就職活動の時は逆に不況になっていて就職は狭き門、常に競争にさらされてきました。
社会に出てからも3か月目には一人で飛び込み営業をしていました。トラックの営業をしていましたが、トラックの置いてある会社に飛び込んでいくのです。今思えば24歳の私はすごい度胸を持っていたと思います。
このように私の世代は育ってきましたが、今の30代前半以下は違います。2年前の年末にあった話ですが、手帳を落として困っていたのですがその翌日妻の携帯に娘の学校の校長先生から電話がかかってきました。
「小菅さん、ひょっとして手帳を落とされませんでしたか?」
その後学校に行って手帳を渡してもらったのですが、小菅昌秀としか書いてないのになぜ私と分かったのかを聞くと
「小菅と言えばうちの学校では3年〇組の小菅さんしかいないので、お父さんかと思いました」とのことでした。
校長先生は児童一人ひとりのことを知っている。これはすごいことと思いました。私たちの時分とは違いきめ細かく子どもたちを見ているのだということです。今の子たちは手取り足取りで育っているわけです。
管理職向けの部下指導の研修でよくする話です。受講生はほとんど40代以上であるのですが、いかに我々と育ち方が違っているのかを認識する必要があるためこの話をしています。そうすると世代間ギャップの中身が見えてくるのです。
昨年、ゴルフの雑誌を読んでいてびっくりした記事について最後に書きます。
「最近の若い子たちのスイングは変わってきた(by石川遼)」