火曜日、水曜日と質の高い研修をするための講師選定について述べました。今回が3回目でこの話の最終話になります。最後の要素は良い資料が準備されているかです。
弊社の場合、大体1日研修で100ページほどのパワーポイント資料を使っています。人は視覚からだけ、もしくは聴覚だけの情報ですと伝えたことに対して10~20%しか理解をしませんが、「見聞きする」というやり方になると50%と飛躍的に理解が進みます。(グラッサーの法則)ですので、パワーポイントの資料は枚数があることが重要になりますし、プロジェクター等にスライドを投影するかどうかも重要です。
2022年の時代においても未だに紙のテキストだけで研修をしている講師がいると聞きますが、大いに疑問があります。パワーポイントを使って表現をすることで受講生を引き込むことがかなりできますがなぜそれをしないのでしょうか。従いまして質の高い研修をしたい際の講師選定の折には、
1.パワーポイントを投影するか
2.パワーポイントのスライド数は
この2点は確認すると良いでしょう。
(資料と同様の内容のテキストは印刷配布はします)
また、テキストのデザインも重要です。弊社の場合は私の妻が東証一部上場企業のカタログやパンフレットのデザインをする腕利きのグラフィックデザイナーですので、いつもデザインを頼んでいます。(もちろんプロの仕事ですので夫婦と言っても有料でです。)
私はマニュアルなども作りますが、いつも「見にくい資料やマニュアルは誰も読まなくなる」と言っています。例えばある課に行ったらマニュアルは縦書きで明朝体でフォントサイズは11だが、他の課に行くとマニュアルは横書き、ゴシック体の10.5ポイントといったようなバラツキがあると、読みにくいの読まなくなります。
研修テキストも同じで、統一感があることは必要ですし、話が資料上縦に進むのか、横に進むのかも統一しなければ受講生の理解度が落ちてしまいます。しっかりと見やすくデザインされた資料を作っているかどうかは講師選定における一つの大きな基準です。
最後に、クレーム対応研修と、不祥事があった際のコンプライアンスやハラスメント研修を実施する際の講師選定について触れます。
現代においてビジネスマナーが必要なことは言うまでもなく、マナー講師は必要ですので弊社にもマナー講師はおります。しかし、マナーの延長線にあるクレーム対応研修はこれからの時代、絶対に避けましょう。理由はマナー講師のクレーム研修のせいで「お客様は神様」といった間違った認識が普及してしまい、モンスタークレーマーやカスタマーハラスメントだらけの世の中になったからです。この失敗は日本に根強く残っています。クレーマーだらけのこの国を変えていくために最も重要なポイントです。
クレーム対応の講師の選定のポイントは以下3つです。
1.心理学やカウンセリングを理解していること
2.法的知識があること
3.具体的な断り方を指導できること
これらができるかどうかをご確認ください。
また、不祥事後のコンプライアンスやハラスメントの研修をする場合、ああやっちゃいけない、こうやっちゃいけないの「戒め型」の研修は逆効果になります。なぜなら「あいつが問題を起こしただけなのになぜ俺たちが戒められなければいけないのか」と反感を買うからです。
この場合の講師選定のポイントは以下3つです。
1.心理学や脳科学を理解しており、失敗のメカニズムを知っているか
2.人はミスや違反をする生き物であることを分かった上で対策をいかに打つかということを指導できること
3.原因を分析して対策を打つ術を知っていること
研修講師選定の際のご参考にしていただければと思います。