恐らく日本中を探してもクレーム対応・ハードクレーム対応・不当要求対応などの研修を自治体において(民間でも多いですが)講師を担当している数では少なくとも国内で5本の指には余裕で入っているんじゃないかと研修業界の方々からは良く言われます。最近も中核市や「成功者の街で高い要求をされる」自治体複数など、様々な自治体でクレーム対応に関する研修をして参りました。
同じような研修でもその時々に思うことがあるので伝えるのですが、先日の研修では最も私がこの分野の講師を務める根幹の話が自然と言葉として出てきました。
私は2003年当時介護会社として国内最大手の会社コムスンでエリアマネージャーを務めていました。この会社は私が退職後に不祥事で業務停止になりましたが、24時間365日の介護を初めて行ったことで有名でした。非常にクレームが極めて多く、本当に大変な思いをしたものです。
その頃はまだクレーム対応に関して専門的な技術は持っていませんでした。勘と経験とキャラクターと肩書及び大学の頃に学んだカウンセリングの技術を応用して何とかしのいでいたような状況で本当に苦しい思いを存分に味わいました。
その5年ほど後に私の師匠である苦情対応の国際規格であるISO10002の意見書発行数は国内トップクラスである、クレーム対応研修の国内第一人者である柴田純男先生に出会い、そのノウハウを一番弟子として承継しました。この柴田先生の素晴らしいノウハウやスキル開発手法をかつての私のようにクレームに苦しめられているすべての方々へ届けたいといった熱い思いを持って、この研修では熱く熱く語っています。これが私のクレーム対応研修講師を務める根底です。
一昔前の「とにかく聴く」はもうやめましょう。苦しむだけですし、メンタルの不調などにもつながります。特に自治体では住民に対して公正公平に対していかなければならないので一住民にだけ多大な時間を費やすことはむしろ許されません。最近の傾向としては30分~1時間程度で打ち切っていくということをルールとして明文化している自治体が増えています。
民間においてもお客様は神様ではありません。お客様はお客様です。行き過ぎた神様扱いをしてきた結果、「お客様は神様ではないのか」といった厚かましい考えに至ったモンスタークレーマーを育ててしまいました。これらを正し、顧客と対応者の関係性を健全化していきたいと本気で思っています。誰もが安心安全に働ける社会づくりに貢献していきたいと心より思います。