本日は3月に実施する自治体様の不当要求対応研修の事前アンケートを見て指導内容を考えています。50件ほどのクレーム事例がありますが、本当に皆様「聴き過ぎ」です。たいていは上司から「とにかく聴け」と言われています。これは正していかないといけません。
この上司世代は認識を改めていく必要があります。10年前のクレーム対応の弊害が顕著に出ています。その当時のクレーム対応研修はマナーの延長線でとにかくお客様を神様扱いして、とにかく話を聴いて聴いてなだめて納めるというものです。しっかり話を聴くことは確かに大事なのですが、3時間も4時間も、果ては7時間もですとか、2カ月間毎日2時間電話がかかってくるとか、異常です。ありえません。上司世代はこの「とにかく聴く」のクレーム研修を受けている場合が多いので、部下にどれだけ時間をかけてでも対応しろと言うばかりで、その結果長時間対応という事態を引き起こしてしまい、職員の皆様を困らせ、疲弊させています。
今やクレーム対応の対応時間の基準は2時間です。私は全国の県庁や市・町で多くの研修をしておりますが、対応の速い自治体ですと既に3年前にクレームに関するガイドラインを作成されています。その中でどちらでも「クレームは1次対応者が1時間対応してまとまらなければ2次対応者が1時間対応して、それでもまとまらなければ一旦話を打ち切る」といった旨の文章があります。自治体ではどんどんこれがスタンダード化しており、今後は常識になると考えています。実際に私の研修でこの話を提案したところ採用された自治体もあります。
また、昔の研修ではお客様を神様扱いしすぎたこともあり、それが「お客様は神様ではないのか!」と言うようなモンスタークレーマーを生み出していったという弊害もあります。自分のことを神様と言う神経が私には理解できません。お客様は神様ではありません。むしろ度を超えた要求に従うことは「悪」です。自治体でも企業でも全てのお客様への公平・公正さが大事であり、度を超えた特別扱いはしてはいけないことです。
対応の基準を作り、それを超える対応はしないということを明言していく。これからの世の中をそのようにしていきたいと思っています。