子育てと言いますか、いよいよ娘の中学受験も1年を切り、受験対策が子育ての大半になっています。志望校の合格圏内には余裕で入っているのでこのまま支援をしていくという状況です。
私の生活は仕事もプライベートも「育てる」がテーマです。自分の娘もそうですが、お客様の従業員、職員を成長させることが私の仕事ですし、社員様を個別指導している会社様もあります。独立起業してから6年になりますが、それ以来私の研修・セミナー・講演や個別指導はのべ10,000人以上、昨年だけでも3,000人以上の方々が受けられています。
人を成長させることのキーワードは「承認」です。人は承認欲求の生き物です。私自身、研修講師をやっていて思いますが承認欲求の塊だとよく思います。研修を終えるといつも盛大な拍手をいただくのですが、その時の気持ちよさは異様なくらい気持ちが良いのです。人は認められると成長意欲を持ちます。
我々の業界ではマズローの欲求段階説という話が良く出ます。下の図がそれです。
一番下から原始的な欲求です。生理的欲求とは「喉が渇いた」「お腹が減った」といったことを指します。安全の欲求は「雨風がしのげる家に住みたい」ということです。所属と愛の欲求は「会社に所属している」「人に愛される」ということ。承認の欲求は人から「認められること」、自己実現の欲求は「なりたい自分になること」で、従来はこの順番だとされてきていますが、最近の学説では実は承認の欲求と自己実現の欲求は逆であると言われています。また、ゆとり世代、Z世代の若手社員はさらにその傾向が強いのではないかと見られています。
私は団塊ジュニア世代の真っただ中の昭和46年度の生まれです。私の学年は人が多く、中学では教室がパンパンになる45人学級が10クラスありました。上と下は9クラスでした。当然教師の目は行き届きませんので、ほったらかしで育つことになります。
受験でも就職でも常に戦いでした。大学受験はバブル期で、1受験30,000円の受験料がかかるのに1で10~20の大学を受けるのは当たり前で、慶應の人気学部などは倍率300倍なんてこともありました。就職のときにはすでに氷河期に入っており、ここでも少ないパイを多くで争いました。
社会に出れば「手前で考えろ」「仕事は盗め」「俺の背中を見ろ」「黙って言うことを聞け」という典型的な放任主義の昭和上司のもと、訳の分からないまま飛び込み営業をしていました。常に自分で考えるしかない中、叱られながら何とか自分で経験を積んで成長していったわけです。
今の若手世代は私たちとは全く違います。少子高齢化の中、少人数学級で手取り足取り育てられています。兄弟姉妹が多い人は稀です。私には小学5年生の娘がいますが、娘のクラスには4人きょうだいの子が1人だけで、あとは全員一人っ子かきょうだいは2人までです。当然教師も親も手厚く育てていきます。そのような中で育ちますとほめられて育ちます。そうするとほめられるのが当然なので承認欲求は高まります。承認してあげないと今どきの若手社員は伸びません。
また目標を設定する→達成→ほめる を繰り返すと脳が成長することが分かっています。脳科学の見解からも褒めると伸びるということははっきりわかっています。ほめる、承認するためのコツは具体的な成功のプロセスと結果、つまり「事実」をほめるとほめやすいし、若手社員本人もピンときます。あいまいなほめ方をすると彼らはほめられていると認識しません。叱ったり諭す時も同じで事実をったり諭しましょう。自分の感情で「怒る」は論外です。また、部下や後輩の人格否定は明確なパワハラですので絶対に避けましょう。
承認してあげることで人は成長します。子育ての場合はやや結果よりもプロセスである「頑張り」を承認してあげるとよいでしょう。