接遇やクレーム対応のマニュアルやガイドラインの作成を取り仕切ったことがありますが、ああしなさいこうしなさいという「マニュアル」もいいのですが、こうしてもいいですよと基準を示す「ガイドライン」を先日ある化粧品会社で作りましたところ、社員の皆様にかなりご好評をいただきました。
化粧品の業界では今までは女性の美容部員が女性客のみを相手にしていたらよかったのですが、ここ1~2年で男性客が増えてきており、どのような対応すればよいかといった基準が分からず、どう対応していいのかわからず不安であるという状況になっていました。
実際に昨年の年末に東京で何店舗か視察してきたのですが、身なりを整えた美容部員がレベルの高い接遇を行ってくれるのですが、これが若い男性などでしたら「ひょっとして俺に気があるのかも」と勘違いをしてしまうことを危惧しました。下手をしたらストーカーなどが付いてしまう可能性すら感じました。
この思いからガイドラインを作成し、安心して働いてもらうためにはいかに断るべきことはどのようににしっかり断るのかを明示してあげなければいけないと強く思いました。言い回し一つ一つが肝心ですので具体的なトークを多く盛り込んだものを作っていかねばならないという思いで取り組みました。
もちろん法的にも問題の無いものをということでそちらの観点について先様の法務セクションのお力を借りながら進めていきました。
結果、先様の数名の担当者様たちは優秀な方揃いだったので素晴らしく精度の高いガイドラインを完成させることができました。私はその支援をさせていただいたわけですが、この完成度の高さは特筆ものです。
モンスタークレーマーやカスタマーハラスメントを世の中から撲滅していくことこそ私の使命の一つと思っていますが、1つこれに貢献できたのかなと思っています。いかに男性客に勘違いをさせないかということに取り組めたことは私にとって一つの大きな財産になりました。
この例のように今まで男性と女性の住み分けがあった業界がそうでなくなっていくということはジェンダーフリー化はどんどん進んでいくと予想されますので、対応の仕方を変えていくという必要性は新しく出てくることが増えていくと考えます。そんな時こそ頭を柔軟にし、最適な取り組みはどういったものなのかを突き詰めて考えていくということが大事になってきます。そのような時のご支援をどんどんできたらいいなと思っています。