カウンセリングやコーチングの手法の中に「相手の言葉を返す」というものがあります。これには相手からすると聴いてくれている感じがするのでクレーム対応にも有用です。クレームを言う方は「私の言うことを聴いてほしい、理解してほしい」という心理を持つものです。しっかりと共感してあげるために使っていきます。
例えば「私は三重県伊勢市の出身です。伊勢は緑豊かで食べ物がおいしいです。」と相手が言えば、
「ああ、伊勢ですね。おいしいんですね」と部分的に相手の言っていることを切り取って返すのが基本です。オウム返しの話法です。
しかし、「伊勢のご出身なんですね。緑が豊かでおいしいんですね。」とそのまま返し過ぎるとどうなるでしょうか?
「さっきから私の話をそのまま返しているだけだね。ちゃんと話を聞いているの」?」となってしまいます。このようなことにならないためには言い換えの話法とプラスの話法が有効です。
言い換えの話法は「仕事をミスして、明日会社に行きたくないよ」と言われたら、そのまま「仕事をミスして会社に行きたくないのですね」ではなく、「仕事で失敗したら出社するのが嫌になるよね」と少し言い換える話しかたです。言葉を少し変えるだけで自然になります。これが言い換えの話法の利点です。
しかし、オウム返しと言い換えだけでは相手の話以上のボリュームが出ません。相手が口下手な型ならかなり会話が厳しくなります。ここでプラスの話法の出番です。相手が言ったことに対して、肯定的にプラスして返していく方法です。例えば「森の中に行くと気持ちいいよね」と言われた時に「「ああ、森の中に行くと心が落ち着いて、リラックスできて最高の気分ですよね」と返します。
相手からすると自分の気持ちをよく理解してくれている気持ちになります。クレーム対応でも相手の怒りを下げていくために共感をすることが大事ですが、その手法として有効なものの一つが今回お伝えしたフィードバックスキルです。ぜひ覚えましょう。過去にアップした動画もご参考にしてみてください。