先週までコンプライアンスについて書いてきましたが、今週から4週8回の予定で「傾聴法」をお伝えします。
傾聴・カウンセリングの父と言えばカールロジャーズですが、私はロジャーズの孫弟子に当たります。大学でロジャーズを学び、25年の営業、管理職、クレーム対応などの社会人経験の中でそのやり方を自分の型に昇華してきました。
本日のお話は一番基本になる「共感 受容 傾聴」です。ぜひご覧ください。

先週までコンプライアンスについて書いてきましたが、今週から4週8回の予定で「傾聴法」をお伝えします。
傾聴・カウンセリングの父と言えばカールロジャーズですが、私はロジャーズの孫弟子に当たります。大学でロジャーズを学び、25年の営業、管理職、クレーム対応などの社会人経験の中でそのやり方を自分の型に昇華してきました。
本日のお話は一番基本になる「共感 受容 傾聴」です。ぜひご覧ください。
以前コムスンという2006年当時最大手の介護会社の大阪府の一部と京都府・滋賀県全域のエリアマネージャーをしていた時にあった話です。管掌していたあるヘルパーステーションのマネージャーから泣きそうな声で電話がかかってきて、
「クレームで、怒鳴られて怖くてどうしようもないので来てもらえますか?」と言われました。
30分くらいで行けるところにたまたまいましたので、
「上の者が30分ほどで参りますのでしばらくお待ちいただけますか」と伝えておくようにマネージャーに伝えて、そのヘルパーステーションに向かいました。
クレームの内容を聞くと、うちの車が違反駐車をしていたせいで道幅が狭くなって電柱で自分の車をこすって傷つけてしまった。という話でした。
この場合、違反駐車をしているという件はこちらに落ち度はあるものの、車をこすったのはこちらに責任はないので謝ってはいけないケースです。隣の喫茶店で待っているとのことでしたのでそちらに向かいました。
名刺を差し出し、
「株式会社コムスン関西統括部部長代理 京都府エリアの責任者、小菅でございます。」と名乗り、
「まずはどのようなご状況かをしっかりお聞かせいただけないでしょうか」と聞いたところ
「あんたところの車が違法駐車してたせいで道幅が狭くなって車を擦ってしまった。でも、大した傷じゃないし、偉いさん(大して偉い立場ではないのですが)がわざわざ迅速に駆けつけてくれたことに誠意を感じたから、ここのコーヒー代だけおごってや。」
こちらが謝ることすらなく、拍子抜けしてしまいました。
クレーム対応に必要なものはセンスとキャラクターと肩書とスキルですが、この場合は肩書だけで何とかなってしまったというケースです。あまりにあっさりと現場のポロシャツの担当者ではなく、ネクタイ組のエリア責任者が駆けつけてきたら、相手が満足したという話です。
逆の話をすると「社長を出せ」「上の者を出せ」というのは担当者を困らせることを目的としている場合が多いのですが、本当に社長がすぐに出てきたら何も言えなくなってしまうわけです。「上の者を出せ」という相手は恐れる必要が無いと言えます。
今週は動画配信の木曜日です。クレーム対応シリーズを8回に渡ってお伝えしてきましたが、その最終回になります。
つい事務的に対応したり、こちらの都合ばかり行ってしまった結果、よりクレームがこじれてしまうということは良くあります。不愉快な思いにさせた事や面倒をかけたことについて部分的に謝って行くことや当事者意識をもった対応が必要です。そのような内容についてお伝えしています。4分程度の動画です。ご覧ください。
ISO(国際標準化機構 International Organization for Standardization)は皆様ご存知だと思いますが、苦情対応の世界にもISOがあることをご存知の方はあまりいらっしゃらないと思います。苦情対応のISOはあります。ISO10002(JISQ10002)です。
これを取得することで
といったメリットが確保できます。
特に6番の「国際規格であるISOに則ってこの苦情は断りますといった対応」ができることは企業にとって大きな強みになります。
このISO10002を日本に導入した中心メンバーの一人で、10002の意見書を日本一書いているのが私の師匠で弊社講師の柴田純男先生です。10002のコンサルティングをできるコンサルティング会社は希少ですが、弊社はそのうちの1社です。自治体・企業が安心できる組織作りのご支援をしたいと考え、現在多数の自治体や企業にご提案しています。詳しくはホームページのこちらをご覧ください。詳細をお知りになりたい方はお気軽にお問い合わせください。
営業系の会社は代表番号の他に社員だけが使う「裏番号」という電話番号があります。営業時間外に社員同士が電話をするためです。おおよそ下4桁に1か10を足すとその番号であることが多いです。
ある旅行会社での話です。裏番号に電話がかかってきたので電話を取ったらなぜかお客様(A様)からのクレームでした。
後で分かったのですがこのA様は営業や法律に精通しており、大体どこでも裏番号はあるので営業時間外に下4桁に1を足して電話してきたとのことでした。あまりに不意を突かれてしまったので完全にA様に主導権を持たれてしまいました。
クレームの内容は「3回も絶対に禁煙車でと念を押したのに、空港についてレンタカーに乗ったらタバコ臭い喫煙車なんだけどどういうこと?今すぐ車を変えろ!」でした。
契約書を確認するとしっかりと「絶対に禁煙車」と書かれていたので、急遽禁煙の車両を手配することになりました。30分程度で車両の手配が出来、A様にレンタカーの店舗に向かっていただくことになりました。車のグレードが2つ上の車しかなかったので費用が掛かるものの、A様に無料でグレードが上がることを伝え喜んでいただけた・・・と思いきやここでまたミスが発生。新〇〇店を案内すべきところ〇〇店を案内してしまい、A様は更にお怒りになりました。
「知らない町に旅行に来て、知らない道を訳もなくいっぱい走らされてこちらはくたくただ。おまけにタバコ臭いから妻が気持ち悪いと言ってホテルで寝てる。お前らの仕事は楽しい旅を演出することやろうが」
図星を突かれて返す言葉もありません。
「これ、契約書の控えを手元に持ってるけど、契約違反だよね。記載されていることに明確に違反してるよね。しかも疲れるし妻は体調崩すし、楽しい旅がお前のところのせいで台無しだ。一体どう責任取るのか?言っておくが俺は法務関係の仕事をしているから法律には詳しいぞ。どう責任を取るのか?」
A様の勢いに押されて、さすがに何もしないとはいかない話になってしまい、今回の「車」に関する費用を全額負担するということで話は決着しました。
3泊4日のご旅行でしたので3日後、レンタカー返却の際のガソリンを入れていただく連絡をしたところ、
「ガソリン代?車の費用は全額そちら持ちやから払うわけないだろ!お前は正しく契約を履行しない上に嘘までつくのか?約束も守らないのか?車に関する費用はすべて持つとはっきり言ったな?はっきり言ったな?」
「はい・・・。」完全にペースを奪われていてどうしようもない状況です。結局ガソリン代はこちら持ちとなりましたが、ここで話は終わりません。更に後日追い打ちが待っていました。
数日後、A様がご宿泊されたホテルから書類が届きました。
「ご請求書 4日分駐車場代6,000円」
クレーム対応で一旦主導権を奪われると覆すことは難しいといった事例でした。ここまで徹底的にする方が世の中にいます。不意を突かれない注意が必要です。
本日は動画配信です。クレーム対応において「聴いてくれている証」となるフィードバック話法をご紹介いたします。
クレーム対応において共感していくことは大事で、聴いてくれている感じを演出していくテクニックです。シンプルですが、簡単で効果的な使える3つの話法を覚えましょう。
私の不当要求対応研修には県庁、市役所、町村役場職員の方々の他に現役の刑事や巡査の方も参加されます。税金や駐車違反の反則金の取り立て、生活保護の前払い請求(もちろん前払いはしません)をされる場合でよくあるのが、
「お金を払ったら生活ができない」「保護費を前払いしてもらわないと半月何も食べれない」と言う後に出てくる言葉が
「俺に死ねと言うのか!」
です。
前にこのブログで書いた対応案はこうです。
「私はあなたに死んでほしいなど思っていません。私は人に死んでほしいとは思わないのでそれは私に対する侮辱です。撤回していただけますか」
この切り替え方ともう一つ有効な方法があるので紹介いたします。「俺に死ねと言うのか」に対して、
「そんなこと言ってませんよ。で、すぐにお支払いをいただきますね」
このようにあっさりと切り返していくやり方です。まったく感情を廃して聞く耳を持たないやりかたで、事務的に進めていくことで「こいつには言っても無駄だ」と根負けさせていく方法です。最終的には話を全く聞かずにシャットアウトする方法もありますが、まずはこのような「あっさり」とした切り返し方をお勧めします。簡単なことですが、だからこそ効果的です。
先々週から来週にかけて配信しているクレーム対応の動画シリーズを昨日までで6本YOUTUBEにUPしていますので是非ご覧ください。下にリンクを貼りました。
来週は7話、8話を月曜、木曜に配信します。
第1話 クレーム対応の歴史と「クレーム対応3.0」
第2話 クレーム対応 ピンチはチャンス
第3話 お客様は神様ではない お客様は王様
第4話 もはやお客様満足だけではない
第5話 やってはいけない全面謝罪
第6話 解決しようがない問題への対応
クレーム対応時に大事なのが「お調べしますので1時間後に折り返しのご回答で宜しいでしょうか」といった時間の約束の設定です。
早く対応しようと思って「15分後にかけ直します」と言ってしまい、結果20分後にかけ直したら「約束した時間を破るとはどういうことだ」と更にクレームが大きくなってしまいます。
逆に「3時間お待ちいただけますでしょうか」と余裕を持ち過ぎた約束を設定すると「なんでそんなに待たせるのだ」とこれはこれで逆効果になってしまいます。適度に余裕のある時間設定が必要になります。
論外なケースもあります。以前引っ越しをした時に食洗器に水を引き入れるための蛇口の分配栓の品番(この栓は規格の統一化が進んでおらず、意味もなく種類が多い)をメーカーに聞いてもらうようマンション管理会社社員に言い、どれくらいの時間で分かるか聞いたところ、「う~ん、1週間くらいですかね」と言われました。この時はあきれましたね。仕事をさぼるなと思いましたのでこのように言いました。
「1週間?あなた仕事さぼるのか?あなたの上司に言うよ。仕事さぼってる社員がいるって。こちらは管理料払ってるんだからちゃんと仕事しなさいよ。」
こう言っても私の言葉を理解せずにぽか~んとした様子だったのでこう続けました。
私「私だったら今すぐメーカーに電話するよ。今から電話して品番聞くのに10分かからないよね?」
担当「はい、10分もあればわかると思います。」
私「そうだよね。で、私に折り返しの電話したら?」
担当「5分もあればできます。」
私「1週間かかる?」
担当「かからないですね。」
私「じゃあすぐに調べて30分以内に電話くれるかな?」
担当「わかりました。」
私「それと管理料払っているので、仕事はさぼらないでね。」
担当「分かりました。」
今まで経験した中では、1時間くらいと言って44分で折り返しがあった時が心地よかったです。ポイントは「やや余裕を持たせた時間設定の中で早めの回答をすること」に尽きます。焦りは禁物です。少し落ち着いて対応すればお客様は満足します。
昨日の動画のように1回うっかり謝ってしまうとなかなか取り返しがつかなくなってしまうのですが、逆にこれを切り返していくための方法を本日のブログでお知らせします。事例は動画と同じく、スポーツジムの月謝がお客様の手違いで引落されていたのを、ついうっかり謝罪してしまったために返金に応じなければいけなくなったというケースです。
「お前、謝ったじゃないか!月謝を全額返金しろ!」
「確かに説明がなかったことに対して謝罪をいたしましたが、法的に責任を認めたとは申し上げておりません。私どもを説明がなかったことに対して、また不愉快な思いをさせてしまったことに関して一人の人間としてお詫びを申し上げたい気持ちでしたので謝罪をさせていただきました。」
「でも、自分たちが悪いと認めただろうが!返金するのが当然だ」
「お客様に対する気持ちを申し上げた次第です。ご不快な思いをさせてしまったことには改めておわびいたします。具体的にどのように解決していくかはこれからのお話です。まずはご状況を改めてお伺いできますでしょうか。」
「いや、お前は認めた。こちらの要求を呑むのが当然だ。」
「お客様、あくまで説明がなかったからと言ってそれが即返金という話には至りません。お客様のご意向にできる限り沿えますよう上の者に確認します。私の権限ではどのようにも対応いたしかねます」
「しつこい!1週間以内に返金しろ!」
「お客様、お客様のご要望に対して何度も返答をいたしましたが、これ以上私から申し上げることはございませんし、お客様のご要望も変わらないことかと思います。これ以上お話を続けても平行線ですので、一度ご要望通りできるか、別の対応を考えるかなど上の者と話をした上で明日までに折り返し電話を入れさせていただきます。本日はこのまま電話を切らせていただきます。明日までに必ず電話をすることをお約束しますので、本日はこれで失礼をさせていただきます。」
「ガチャ!」
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