8月の終わりからドラマ「愛していると言ってくれ」がノーカットで放送されていたので撮り貯めをして、平日の朝や休みの日に全12話を見ました。端的な感想を言えば「女性の理想を体現化した話」だったの一言に尽きます。
先週読んだ本、橘玲(たちばな あきら)さんの「女と男 なぜわかりあえないのか(文春新書)」に分かりやすく書かれていたので、それを要約します。
ロマンス小説やドラマは「男らしい権力者などのタイプの男性(アルファ型)」と、「アルファ型には劣るが女性を幸福にする能力がある男性(ベータ型)」と言った魅力的な男たちの間でヒロインをめぐって争い、ヒロインの心は揺れ動き、最終的にアルファ型の男がヒロインの魅力に屈するといったパターンがあり、視聴者の女性はそのパターンに己を投影して夢中になるといった話です。
まさにアルファ型の榊晃次(豊川悦司)とベータ型の矢部健一(岡田 浩暉)の間をヒロインの紘子(常盤貴子)が揺れ動き、最終的に晃次と再び出会うという典型的な話でした。これは女性に受けると思いましたが、同時に若い頃、紘子のような行動を取る女性を見てきたことを思い出しました。紘子は結構ひどいことを勢いで言ってしまうタイプで、感情的にクレームを言う典型的なタイプです。
特に元恋人の指輪が落ちていただけで相手を疑い全く弁明をさせないとか、話を聴かずに黙りこむとか、あ~~~やだやだ!20年以上前の話ですが、別の女性との2ショット写真のネガを見て関係を疑われたり(特に関係もない相手)、7時間黙られたことを今、思い出しました。
ただ、こちらにも非があったと今になって思います。写真の時は「別に一緒に写真撮っただけ」なのはそうなのですが、正直面倒くさかったのでさっさと話を終わらせたく思っていましたが、もっとしっかりと相手が納得するまで丁寧に説明していればと思いますし、黙られたときはイライラして「今から質問をする。限定質問だから答えははい・いいえ・分からないの3つの内のどれかを選べ」なんて強制の尋問調で今考えたらとんでもないことを言っていました。しっかり説明すること、聴いてあげることが当時はできていなかったんだといまさらながら赤面もののお話です。
逆説的にですが、説明することと聴くことの大事さをこのドラマを見て感じました。クレーム対応などでも必要なことです。しっかりと相手と向き合って話すことは本当に大事です。
小菅の実家は不動産会社です。小さい頃から土地の境界争いなどをいっぱい見てきており、裁判の話や土地の境界争いの話を絶えず祖父や父から聞かされて育ちました。
私が17歳の時です。当時は尾崎豊さんの人気がすごく「17歳の地図」という曲がありましたが、17歳の地図ならぬ「17歳の土地」という経験をしたことを書きます。
当時は高校3年の春だったと思います。店子さんから「隣の家が建て替えていて基礎を作ったが、どう見てもうちの建物とのすき間がほとんどない。違法建築ではないか。火事になったらどうしてくれるんだ。」と言う話が来ました。その隣の家の人と交渉が必要になりましたが、父は当時サラリーマンも兼務しており中国に長期出張中、兄は大阪、祖父には任せるのは厳しい、ということで17歳の私が出ていくしかありませんでした。
幸い当時、既に身長は伸び切っていて、今より更に体重が重かった(177cm95kgくらい 小型力士くらいの感じ)のでスーツを着て、髪形を変えればまず高校生には見えません。心の中ではドキドキしながらも、土地家屋調査士の方に同行いただいて、顧問弁護士さんから授けられた文言の「これは建築法に違反していますので、このまま工事を続けるならば裁判所に建築停止の仮執行を本日申請します。」「火事になって燃え移ったらどうしてくれるの?」の一点張りで相手に渋々基礎のやり直しを認めさせました。
相手方としては基礎をやり直すことの費用や、基礎をずらすことで駐車できるスペースがなくなるとの言い分を言ってましたがそんなこと知ったことではありません。とはいえ、相手は結構しつこく30分くらい言い合った記憶があります。今なら1分で終わらせる話ですが、17歳には時間がかかったようです。
私はクレーム対応やコンプライアンスの講師をしていますが、この時の体験は私のクレームに関する原点だと思っています。17歳の土地、あの時のドキドキ感ときつい思いは忘れません。私のクレーム対応研修を受けられる方の気持ちはあの時の自分と同じだと思っています。その大変さを楽にして前向きな気持ちを醸成していくことが私の使命の1つだと思っています。
昨日書きましたように「お客様は神様ではなく王様としてもてなす。歴史上首を落とされた王様は数多くいる。」という言葉を早急に世の中に知らしめたいと思っています。理不尽なクレームから職員・従業員を守り安心して働く世の中を作っていきたいのです。
私はクレームに関わる全ての方々へ少しでも安心になっていただきたいということ、不当な要求には決して応じてはいけないことを世の中に本気で知らしめたいと思っています。それが私の存在意義の1つです。
不当な要求をしている輩は実は自身が法律を踏み越えても気づいてません。変な言い方ですが、弁護士の方々か私のようにクレームを研究している人間はどこまでが「ギリギリ」であるを知っていますので法を踏み越えることはまず有りませんが、そのようなことが見極めができる方はほとんどいません。
例えば、話が事実であったとしても相手の名誉を著しく毀損するならばそれは「名誉棄損罪」に当たります。「公然と(おおよそ数十人以上とされる)」「事実を適示し」「人の名誉を棄損する」ことが名誉棄損罪適用の3要件とされます。事実だから言ってもいいと思っている方は多いと思いますが、実はそうではないのです。このように不当要求者は知らない間に法律のラインを越えていることが多いです。
法律を簡単に踏み越えてくるのは「お客様は神様だ」という間違った考え方が蔓延しているからです。そもそも自分を神様と思う神経を疑います。なぜそこまであなたを特別扱いしなければいけないのでしょうか。理不尽すぎます。
「お客様は神様ではなく王様としてもてなす。歴史上首を落とされた王様は数多くいる。」
再度申し上げますが、この言葉を世の中に普及させ、理不尽な要求からそれに対応する皆さまに安心を持っていただきたいと真に思います。ぜひこの運動にご協力(具体的にはSNSなどでこの言葉を拡散してほしいです)をお願いいたします。
この件にも関わる自治体のクレーム研修のあり方についての研究論文を一般社団法人日本説得交渉学会に近日投稿します。
会誌に掲載、発表後に論文の内容の公開と、それについての動画を配信します。まずはすべての自治体職員の皆様にご覧いただいてお役に立てるものを作ります。
4日連続のある自治体の研修でかなり熱く語りましたので昨日は19時で寝落ちしてしまい、動画アップが今になりました。
クレーム対応の実践で役立つ内容の動画ですのでご覧ください。
「でも、でも」「だって、だって」
若い頃、このような言葉を使う女性をかなり見てきました。私は「デモデモダッテちゃん」と呼んでいました。自分で判断する能力がまだ低い子どもや若い子ならば理解できるのですが、40代以上の方でも自分のやり方を変えるのが嫌で、より良いやり方を探さない人たちが言い訳するときにこの言葉を使っているのを垣間見ます。
「でも」や「だって」など「だ行」の言葉は考えてみれば相手の言うことを否定しがちな言葉が多いです。
他にも
「ですが」
「ですので」
「どれだけ~~しても」
「でも」
「だから」
「どうして」
などがあります。
起業した4年前にこれに気づきました。東京から三重に引っ越ししたときのある手続きの際、電話先の応対者に何かムカッとしたので、録音した電話の内容を聴き返してみました。(私は7年前からスマートフォンにACRという常時電話の会話を録音するアプリを入れています。言った言わないにならないための対処です。何度か決定的な言質を取ったこともありますのでお勧めです。)
そこで気づいたのが「だ行」です。この担当者はいったん、「お客様のご要望はごもっともなことだと思います」といった受け止め方をするのですが、その後「ですが」や「でも」で切り返し過ぎなのんですね。この方法をYES・BUT法と言いますが、あまりに使いすぎていて感じが悪くなっていたというわけです。
また、最近の巧妙さが増してきたクレーマーたちの技にYES・BUT潰しというやり方が出てきました。上記のように一旦受けとめた後に「でも」が出た瞬間に「でもとはなんだ!俺の言うことを否定するのか!なぜ俺の言葉に逆接の接続詞を使うんだ」というように即時に潰しにきます。
クレーム対応では不当な要求などでない場合は相手を否定しないのが鉄則でYES・BUT法は昔から使われてきましたが、そのYES・BUT自体が通用しなくなってきています。そのために私が4年前考案したのが、YES・BY THE WAY法です。
具体的には「~~様がおっしゃる内容はごもっともなことかと考えます。ところでおっしゃる内容とは別の対応策が当方にございますので、一度ご提案させていただけますでしょうか。」というように相手に対して「でも」と逆説的に返すのではなく、お客様のA案に対してB案を並列させて話を検討いただく流れを作っていくというやり方です。
YES・BUTに比べて否定されている感じがほとんどなくなりますので、機会がありましたらぜひ一度お試しください。クレーム以外でも会議などの場で自分の意見を言いたいときや交渉事、子育て、色々な場面で使えます。
「だ行」の言葉を使わないことを意識するだけで否定的な感じをぐっと減らせます。あなたご自身が前向きな態度を醸成することにもつながりますので日々意識をしていただくと良いでしょう。
私は日本説得交渉学会という学会に所属しています。教授など大学の方が多いのですが、副会長の柴田純男先生や私のように民間でクレームの研究や研修をしている実務系メンバーも多くいます。
説得と言うのは相手のために行うことで、交渉とはお互いのために行うことを指します。余談ですが自分のために行うことがお願いです。
学者の方々でも実務者でも、説得や交渉において一番大事なことは何かは共通しています。それは「聴くこと」です。
聴くことについて、共感や受容は大事ですが、技術に走りロールプレイングで練習して、形だけできているという方が多いと思います。営業だったら本当にお客様のお役に立てるにはどうすればいいのか、カウンセラーやコーチならどうすればクライアントを成長させられるのか、クレームならどうすればお客様のご要望に沿えるのか、と本心から思いやりの気持ちを持たなければすぐに相手にばれます。
カウンセリングのやコーチングの本質は相手と真正面から向き合うことです。小手先のテクニックを駆使することではありません。
多くのキャリアコンサルタントや産業カウンセラーの資格を持った方とお話をしたことがありますが、そのうちの何人かは「資格を取って自分の権威付けをしよう」といったずれた考えの方々でした。資格を取ろうとすることは勉強になるので良いことなのですが、資格を取ることを目的化するのは特にこの場合、頭でっかちになるだけです。「有資格者の私の言うことだから的確です」って態度がにじみ出ているんですね。1からロジャーズの勉強をなされては思いました。
我々が考えなければいけないのは自身のありかた(ロジャーズはこれをプレゼンスと言いました)と非支持的アプローチを行うことです。相手を自分の決めた枠にはめ、タイプ分類をすることではありません。
答えと言うのはこちらが決めるものではなく、相手から引き出すものです。答えを引き出すには質問が重要です。質問の技術は確立されていますが、技術に走ることではなく、上記したように正面から向き合うことが重要です。
相手に本気で興味を持てば「知りたい」という自然な気持ちが出てきます。知りたいから質問するのです。その中でもっと背景を知りたいと思えば話を広げていくためのオープン質問をしますし、逆に確認をしたい場合はこのようなことはないですかというクローズ質問をします。こちらがゴールを用意して意図的に相手を誘導するのではなく、相手のことを純粋に受け入れて聴きたいので質問のしかたを変えているということです。
これをできるようになるためには他人から見た自分と自分から見た自分が一致していること、本心から人を思いやる気持ちを持つことが必要です。クレーム対応なら(不当要求は別ですが)相手は悲しい・つらい・怒りなどの感情になっているので何とかそのような気持ちに寄り添い、解決する手助けになろうと思えるか、部下指導・コーチングならその方の現状・問題・課題を明らかにし、前向きな態度で成長させようと思えるかが最も大事なことです。
本日は私がなぜ研修会社を立ち上げたのか、どのような存在になりたいのか、何を世の中に普及させたいのか、理念についてYOUTUBEで熱く語っています。9分弱お付き合いください。
先週は私と娘の予定を鑑みて2日間第一夏休みを取りました。三重県は志摩の海でシュノーケリングとサーフィンを楽しみました。サーフィンは誰でも楽に乗れるボードでしたので、22年ぶりかと思いますが波に乗る爽快感を久しぶりに味わいました。娘も楽しそうでした。
本日から第二夏休みです。娘の夏季講習も学校の宿題も終わりましたので、4日間休みを思う存分満喫してきます。本日は市民プールに行きました。お墓参りを終え、今から小菅の母と4人でご飯を食べます。いっぱい泳ぎましたので、その分ビールがおいしいと思います。
昨日に続きまして日大ラグビー部パワハラ事件の考察の後半戦を書いていきます。
太字斜体が日大ラグビー部ホームページ記載内容です。
一部報道で出ている部員による報告書は、インテグリティチームマネージャーに提出された後、当該部員より取下げの申し出がございましたが、当部としては看過し得ないものと考え、先の対応に至った次第です。なお、報道の中には「隠蔽」という表現も使用されているものもありますが、部員による報告書内容は、部長の責任のもと、各学年単位でのミーティングにおいて共有され、監督より、保護者代表にも報告しております。
暴行罪、傷害罪、恐喝罪に該当する刑事罰案件を多数含んでいるのに身内だけで済ませようとするのは隠蔽と言わず何と言うのでしょうか。大学内にも警察にも報告していない状況です。隠蔽したかどうかを考えるのは外部です。私はコンプライアンスの専門家として隠蔽であると考えています。
また、一連の経緯は、所管の日本大学競技スポーツ部にも逐次報告された結果、当部部長、副部長、監督、コーチは、同競技スポーツ部より厳重注意処分を受けております。
厳重注意処分を受けたことで我々の処分は終わったとでも言いたいのでしょうか。
以上のとおり、今般の報道内容は、既に当部としても把握の上、適切に対応しているものでありますが、当部としては今回の事態を重く受け止め、同対応にとどまることなく、学生スポーツとしてのあるべき姿を実現すべく、日々の運営と指導をさらなる改革・改善を目指し、皆様の信頼を一日でも早く回復できるよう再発防止に向けて全力で取り組んでまいります。
また、当部は学生ファーストの精神を掲げております。現部員には新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、一定の制限はあるものの、部員の「ラグビーをする権利」を尊重すべく適切に活動を続けてまいりますので、皆様にはご理解をいただけますよう何卒よろしくお願いいたします。
最後に取って付けたように「学生ファースト」。本当に学生ファーストならば真っ先に被害を受けた部員に謝罪しているはずです。また、今回の事件の背景や原因についても何ら記載されていません。再発防止に向けて全力で取り組むならば、これだけ時間があったならば既に追求した原因をこの書面に書いているはずです。
日大は日本最大の大学です。卒業生100万人というといかに社会におけるその重要性があるか分かると思います。私の友人や知人にも数多くおります。私学助成金という私立大学への税金を原資とする助成金が国から年に約100億円支給されており、これは全私立大学でトップの数字です。社会における日大の立場が問われる事件かと思いますが、いまだに上層部はこのラグビー部の事件について顔を見せていません。
2年前のアメフト部の時は、当時19歳の加害者学生が会見を行った翌日、慌てて監督(学内ナンバー2の常務理事でもある立場)とコーチが出てきましたがこれは事件発生から1月半ほど後でした。まさに後手後手の対応でした。トップである理事長はついに最後まで出てきませんでした。
しかも今回、警察への届け出もされていません。2年前のアメフト部の事件の際に不祥事対応のガイドラインを作らなかったのでしょうか。数多くの疑念が残ります。この先について本案件の研究を進めていこうと思います。2日に渡る長文にお付き合いくださいましてありがとうございました。
明日は私がどのような考えや理念を持って起業したかを熱く語った9分ほどの動画をお届けする予定です。ぜひご覧ください。
記憶に新しい日大アメフト部事件ですがあれから2年、今度はラグビー部でパワハラ事件が発生してしまいました。本日・明日は私の見解を書いていきます。本日は前半戦です。
選手選考の権利という一番の権力を持つヘッドコーチが、つまようじを部員の頭に何本も刺す、未成年の選手への飲酒の強要、事件後LINEで「チクったやつ、殺す」といった発言等内容の信じられない行為を行っていました。
組織風土というものがあって、それを変えていく難しさを垣間見ました。相撲の世界で言う「かわいがり」のようなものがいまだに横行し、それが当然という空気を感じました。
日本相撲協会と三菱自動車のコンプライアンスの歴史を以前当ブログで書きました。2つの組織とも本当に組織と言うものを根本的に変えていくことは難しいということを悪い意味で世に知らしめました。日大はここが組織改革における正念場なのかもしれないと見ています。この令和の世の中にあってあり得ない事件を起こしたことの原因を根本的に見つめ直す時がきたのでしょう。
いわゆる「体育会系」特有の上下関係や権力の集中が問題の一番根っこに存在しているのではないかと私は見ています。
私も体育会系育ちです。最初、小学校1年から中学校1年までリトルリーグで野球をやっていましたが、当時は「水を飲むな」「とにかく走れ」「うさぎ跳びをしろ」「根性でなんとかしろ」といった今考えるととんでもない方法論や精神論がまかり通っていました。しかし、まだまだこのような間違った論理や精神論は世の中に残っていると思います。今回の事件のヘッドコーチは40代とのことですが、私も含んで40代以上の方々にはどこかまだこのような考えや精神論が払拭しきれていないのではないでしょうか。上下関係は絶対であるといった心の刷り込みから逃れ切っていないのではと考えています。いかにこのような考えを無くしていくかが1つのポイントかと思います。
また、学生数約75,000人、日本一のマンモス大学である日大の組織構造の問題は大きく、巨大な権益が集中している状況を解決し、風通しの良い組織にしていくことが必要だと感じます。しかしながら、事件発覚後の日大ラグビー部のホームページには以下の文章が書かれていました。風通しの良い組織ができていくのか甚だ疑問に思います。
太文字斜体がホームページの文章です。
当部元コーチの一部報道について
「この度、元日本大学ラグビー部コーチによる暴行行為等に関する報道がなされました。まずはこのようにお騒がせしましたことを心よりお詫び申し上げます。
まず、当該元コーチは、当部が外部より招聘し、コーチングの要請をしていたものであり、大学との間に雇用関係はありません。」
私には、「大学には関係ありません。」といきなり責任逃れする気満々に見えました。私でしたらまずは被害者である部員に謝罪しますが、文頭に一言もそのようなことは書かれていませんでした。
今回の件は、本年1月に発生した元部員の不祥事をきっかけに、風通しの良いチームとして再建していくという強い意思の下、インテグリティチームマネージャーを配置しました。同マネージャーによるチーム再建の過程において、学生より報道されたような飲酒の強要や頭に爪楊枝を刺す等の暴行があったとの申し出があったことが判明したものです。当部としては、直ちに当該元コーチからのヒアリング等の調査を行った結果、当該元コーチは退任に値すると部長,監督で判断しました。
本年1月の不祥事と言うのは現役の部員が大麻所持で現行犯逮捕されたことです。インティグリティとはコンプライアンスに近い言葉で、法令や倫理を遵守していくという意味ですが、このようなマネージャーを配置するのは2年前にやっておくべきではないでしょうか。今年1月に事件が起きたから配置して、ふたを開けたら暴力事件があったとは何ともお粗末な話です。後手後手の対応であり、アメフト部の時と変わりありません。後手後手の対応はうそつきの始まりと言います。
前半戦はこれまで。後半戦は明日書きます。明日もぜひお越しください。宜しくお願いいたします。
本日も特別動画付きです。ぜひご覧ください。
市長名義でクレーマー市民を市役所に出入り禁止にした自治体があることをご存知ですか?
7時間クレームに付きあわされたらどうですか?
2019年6月のお話ですから1年ほど前のことです。6年間市役所で職員に対して数々の暴言など(カスタマーハラスメント カスハラ)を行ってきた50代の市民に対し、佐賀県嬉野市長名義で該当市民に出入り禁止の通達(ただし住民票の取得や納税など必要とされる場合は出入り可能)を出したといった報道がありました。これは画期的な出来事でした。自治体も考えが進んできたなと強く感じました。
全国の自治体でクレームの研修に私は講師として出ていますが、この話を伝えると「うちもこうしようか」といった意見をよく聞きます。ぜひどんどんこの考えが広まってほしいと思います。ある自治体では私の研修での話が元でクレームは基本2時間で打ち切るといったガイドラインを制定したといった話が実際に出ました。
自治体でも民間でも同じですが、一人のお客様や市民に度を超えた時間や労力を取られることは他のお客様へのサービスができなくなることを意味し、社会的公平さを欠きます。これはむしろ問題であると考えています。この限界値が2時間と判断されてきています。三重県内では2市が、その他神奈川県や愛知県の自治体でも一時対応者が1時間話をしてらちが明かなかったら人(先輩・上司など)を変えてもう1時間対応し、そこで話がまとまらなくても打ち切るということを基本方針と定めました。ここ2年間でのお話です。2時間で打ち切るということは一つの目安・標準にしていいのではとの感触を得ました。
他にも2件ほど注目の対応があります。
◆2019年10月 福岡市では生活保護の窓口7か所にビデオカメラを設置した。
生活保護担当者の話は前に書きましたが、不当要求者が絶えない大変な職務です。暴行や暴言を防いでいくために極めて有効な方法と私は評価しています。
◆2016年7月 職員への執拗な要求や膨大な情報公開請求により業務に支障が出たとして、大阪市が市内に住んでいた50代男性に約200万円の損害賠償などを求めた訴訟で、大阪地裁が業務妨害的な行為を認定し、男性に80万円の支払いを命じていたことが19日、分かった。
市によると、判決は6月15日付。男性が平成24年3~12月、当時住んでいた住吉区役所に対し、漠然とした内容を含む情報公開請求を53件行い、同年4~8月に95回計23時間に及ぶ電話をかけたと認定。さらに応対した職員らを誹謗中傷したり、1回あたり1時間以上の対応を強要したりしたとして損害を認めた。男性側は控訴せず、判決が確定したという。同区役所は「限度を超えた要求で他の市民サービスに支障が生じ、提訴せざるを得なかった」としている。(2016年7月19日 産経新聞)
威力業務妨害で刑事訴訟するのではなく、「損害額に対する民事訴訟」に持っていったことは実に巧妙な方法だと感心しました。実際に威力業務妨害で警察が動いてくれるかというと動いてくれるケースは少なく、実効性がないことが多いのですが、この方法ならば実質的に「相手がもう手が出せない状況」作れます。
現実に今回挙げたような対応法があります。クレーム対応というと後ろ向きな感じがしますが、私の考えは違います。少しでも多くの方々にクレームにも前向きに立ち向かっていけるようにすることが私の一つの使命と思っております。
そんな私の説得・交渉術の動画を公開します。今回も理不尽なクレームに対応している全ての皆様に捧げます。
12分1秒です。ぜひご覧ください。小菅のYOUTUBEデビュー作です。