本日は動画配信の木曜日です。コンプライアンスについてのシリーズ第2回目。「公正公平な対応」です。不当な要求には決して屈してはなりません。実際に不当な要求、社会通念を踏み越えた特別扱いをしてしまうとどうなるかを事例を通してお伝えします。
本日は動画配信の木曜日です。コンプライアンスについてのシリーズ第2回目。「公正公平な対応」です。不当な要求には決して屈してはなりません。実際に不当な要求、社会通念を踏み越えた特別扱いをしてしまうとどうなるかを事例を通してお伝えします。
昨日は本当のコンプライアンス意識を持つための美意識について書きましたがその続編です。
家内と知り合い14年、結婚して13年になります。家内は大学で「美術史鑑賞学」を専攻していたので西洋美術の造詣が深く、またグラフィックデザイナーが生業なので美的センスが非常に高いです。
私は神社・寺・城・庭は以前より大好物でしたが、家内からは絵画について影響を受けました。西洋美術と言えば大学の時に京都で話題になったピカソ展と、28歳くらいの時にチケットを貰ったから行ったレンブラント展しか行ったことがありませんでしたが、交際が始まってから良く美術館に行くようになりました。
特に家内はフェルメールが大好きで、私も大のフェルメールファンになりました。
レンブラントの絵の持つ迫力、レンブラントの緻密な光の表現は対比的ですが、動と静の双極のような感じで両方とも好きです。以前調べてみたらこの二人は同じオランダのバロック期の同時代を過ごしているのですね。二人の絵を並べてみました。対極的なのが良く分かります。
レンブラント 夜警
フェルメール 牛乳を注ぐ女
興味を持って絵画などに触れると私程度の者でも審美眼はついていったようです。明日は動画配信の話になりますが、明後日より私なりに審美眼が身についていったのかなといった3つの出来事を書きます。
私は三重県伊勢市の河崎という街の出身です。伊勢と言えばご存知伊勢神宮(正式名称は「神宮」)ですが、河崎は川に面した物流の拠点で「伊勢の台所(だいどこ)」と言われた街です。内宮さん、外宮さんに食べさせてもらっており感謝の気持ちが強いので神宮には遠慮がちな態度を取っています。
写真は切妻造の一つの神明造である内宮のご正宮です。切妻平入り(きりづまひらいり)という構造です。下図をご覧ください。
神宮の建物は妻入りですので、同じにするのは畏れ多いという理由で、下の写真のように河崎の街の建物は切妻妻入り(きりづまつまいり)です。
それだけの敬意を今も神宮に払っているのです。小菅の実家の齋藤家は現在はこの街並みから少し離れたところに居を移していますが、昭和30年前までは下の写真の家に祖父母や母たちが住んでいました。写真は曽祖父で大正時代は足袋の卸問屋をしていたそうです。曽祖父はとにかく彫りの深い美男子で良くもてたそうですが、残念ながらその遺伝子は私には残っていないようです。(私の母は「白物家電」のような色白の薄い顔をしています。)この建物も切妻妻入りです。
また、明治以降は外宮門前町の山田を「神都」とするため、山田の隣町である河崎からお寺が無くなりました。
このような街で育ちましたので自然と神様に対する畏敬の念が私の中で育っていったと思います。帰郷してからコロナウイルス禍になるまではご両宮の正式参拝をほぼ毎月しています。
論理性が求められるコンサルタント業を稼業としているので意外に思われますが、割と精神的なものは好きで小学生時代から始まった神社・お寺・城・庭巡りは今も大好きですし、大学は京都で過ごしたかったので京都に行きました。
神道の聖地伊勢の他、仏教の聖地ブッダガヤでお釈迦さまが悟りを開いた菩提樹の下で瞑想したり、ヒンドゥー教の聖地ヴァーラーナシティのガンジス河のガートで首まで浸かって朝日を拝みながら沐浴をしたこともあります。
神様がいるかいないかは誰も証明できていませんが、いないと思うよりはいると思った方が正しい心を育めるのは確かだと思います。
特に冬場の寒い日の早朝の内宮さんが大好きです。私は神様を見たことはありませんが、きっと神様はいるんだろうなと感じさせてくれるからです。伊勢河崎と言う神宮を畏敬する街に育ったことは幸せだと思います。幸運な巡り会わせにいつも感謝しています。悪いことしない、正しいことをするという考えの私の根っこです。
本日より4週間8回に渡ってコンプライアンスに関する動画を配信します。本日はその第1回となります。同時に当ブログでは毎平日コンプライアンスやハラスメントに関する記事を書きます。
コンプライアンスは良く「法令遵守」と訳されますがそれだけではありません。「胸を張って堂々と正しい行動をする倫理観と利害関係者への信頼確保こそコンプライアンスの本質である(柴田純男先生)」とあるように倫理観と信頼確保こそが大事なことです。
クレーム・不当要求対応、コンプライアンス研修の国内第一人者である柴田先生のノウハウを承継している筆者のノウハウをお届けしてまいります。すべての社会で働く方にお届けしたい思いでお送りしますので是非ご覧ください。7分と少し長いですがお付き合いください。
以前コムスンという2006年当時最大手の介護会社の大阪府の一部と京都府・滋賀県全域のエリアマネージャーをしていた時にあった話です。管掌していたあるヘルパーステーションのマネージャーから泣きそうな声で電話がかかってきて、
「クレームで、怒鳴られて怖くてどうしようもないので来てもらえますか?」と言われました。
30分くらいで行けるところにたまたまいましたので、
「上の者が30分ほどで参りますのでしばらくお待ちいただけますか」と伝えておくようにマネージャーに伝えて、そのヘルパーステーションに向かいました。
クレームの内容を聞くと、うちの車が違反駐車をしていたせいで道幅が狭くなって電柱で自分の車をこすって傷つけてしまった。という話でした。
この場合、違反駐車をしているという件はこちらに落ち度はあるものの、車をこすったのはこちらに責任はないので謝ってはいけないケースです。隣の喫茶店で待っているとのことでしたのでそちらに向かいました。
名刺を差し出し、
「株式会社コムスン関西統括部部長代理 京都府エリアの責任者、小菅でございます。」と名乗り、
「まずはどのようなご状況かをしっかりお聞かせいただけないでしょうか」と聞いたところ
「あんたところの車が違法駐車してたせいで道幅が狭くなって車を擦ってしまった。でも、大した傷じゃないし、偉いさん(大して偉い立場ではないのですが)がわざわざ迅速に駆けつけてくれたことに誠意を感じたから、ここのコーヒー代だけおごってや。」
こちらが謝ることすらなく、拍子抜けしてしまいました。
クレーム対応に必要なものはセンスとキャラクターと肩書とスキルですが、この場合は肩書だけで何とかなってしまったというケースです。あまりにあっさりと現場のポロシャツの担当者ではなく、ネクタイ組のエリア責任者が駆けつけてきたら、相手が満足したという話です。
逆の話をすると「社長を出せ」「上の者を出せ」というのは担当者を困らせることを目的としている場合が多いのですが、本当に社長がすぐに出てきたら何も言えなくなってしまうわけです。「上の者を出せ」という相手は恐れる必要が無いと言えます。
今週は動画配信の木曜日です。クレーム対応シリーズを8回に渡ってお伝えしてきましたが、その最終回になります。
つい事務的に対応したり、こちらの都合ばかり行ってしまった結果、よりクレームがこじれてしまうということは良くあります。不愉快な思いにさせた事や面倒をかけたことについて部分的に謝って行くことや当事者意識をもった対応が必要です。そのような内容についてお伝えしています。4分程度の動画です。ご覧ください。
ISO(国際標準化機構 International Organization for Standardization)は皆様ご存知だと思いますが、苦情対応の世界にもISOがあることをご存知の方はあまりいらっしゃらないと思います。苦情対応のISOはあります。ISO10002(JISQ10002)です。
これを取得することで
といったメリットが確保できます。
特に6番の「国際規格であるISOに則ってこの苦情は断りますといった対応」ができることは企業にとって大きな強みになります。
このISO10002を日本に導入した中心メンバーの一人で、10002の意見書を日本一書いているのが私の師匠で弊社講師の柴田純男先生です。10002のコンサルティングをできるコンサルティング会社は希少ですが、弊社はそのうちの1社です。自治体・企業が安心できる組織作りのご支援をしたいと考え、現在多数の自治体や企業にご提案しています。詳しくはホームページのこちらをご覧ください。詳細をお知りになりたい方はお気軽にお問い合わせください。
営業系の会社は代表番号の他に社員だけが使う「裏番号」という電話番号があります。営業時間外に社員同士が電話をするためです。おおよそ下4桁に1か10を足すとその番号であることが多いです。
ある旅行会社での話です。裏番号に電話がかかってきたので電話を取ったらなぜかお客様(A様)からのクレームでした。
後で分かったのですがこのA様は営業や法律に精通しており、大体どこでも裏番号はあるので営業時間外に下4桁に1を足して電話してきたとのことでした。あまりに不意を突かれてしまったので完全にA様に主導権を持たれてしまいました。
クレームの内容は「3回も絶対に禁煙車でと念を押したのに、空港についてレンタカーに乗ったらタバコ臭い喫煙車なんだけどどういうこと?今すぐ車を変えろ!」でした。
契約書を確認するとしっかりと「絶対に禁煙車」と書かれていたので、急遽禁煙の車両を手配することになりました。30分程度で車両の手配が出来、A様にレンタカーの店舗に向かっていただくことになりました。車のグレードが2つ上の車しかなかったので費用が掛かるものの、A様に無料でグレードが上がることを伝え喜んでいただけた・・・と思いきやここでまたミスが発生。新〇〇店を案内すべきところ〇〇店を案内してしまい、A様は更にお怒りになりました。
「知らない町に旅行に来て、知らない道を訳もなくいっぱい走らされてこちらはくたくただ。おまけにタバコ臭いから妻が気持ち悪いと言ってホテルで寝てる。お前らの仕事は楽しい旅を演出することやろうが」
図星を突かれて返す言葉もありません。
「これ、契約書の控えを手元に持ってるけど、契約違反だよね。記載されていることに明確に違反してるよね。しかも疲れるし妻は体調崩すし、楽しい旅がお前のところのせいで台無しだ。一体どう責任取るのか?言っておくが俺は法務関係の仕事をしているから法律には詳しいぞ。どう責任を取るのか?」
A様の勢いに押されて、さすがに何もしないとはいかない話になってしまい、今回の「車」に関する費用を全額負担するということで話は決着しました。
3泊4日のご旅行でしたので3日後、レンタカー返却の際のガソリンを入れていただく連絡をしたところ、
「ガソリン代?車の費用は全額そちら持ちやから払うわけないだろ!お前は正しく契約を履行しない上に嘘までつくのか?約束も守らないのか?車に関する費用はすべて持つとはっきり言ったな?はっきり言ったな?」
「はい・・・。」完全にペースを奪われていてどうしようもない状況です。結局ガソリン代はこちら持ちとなりましたが、ここで話は終わりません。更に後日追い打ちが待っていました。
数日後、A様がご宿泊されたホテルから書類が届きました。
「ご請求書 4日分駐車場代6,000円」
クレーム対応で一旦主導権を奪われると覆すことは難しいといった事例でした。ここまで徹底的にする方が世の中にいます。不意を突かれない注意が必要です。
本日は動画配信です。クレーム対応において「聴いてくれている証」となるフィードバック話法をご紹介いたします。
クレーム対応において共感していくことは大事で、聴いてくれている感じを演出していくテクニックです。シンプルですが、簡単で効果的な使える3つの話法を覚えましょう。
私の不当要求対応研修には県庁、市役所、町村役場職員の方々の他に現役の刑事や巡査の方も参加されます。税金や駐車違反の反則金の取り立て、生活保護の前払い請求(もちろん前払いはしません)をされる場合でよくあるのが、
「お金を払ったら生活ができない」「保護費を前払いしてもらわないと半月何も食べれない」と言う後に出てくる言葉が
「俺に死ねと言うのか!」
です。
前にこのブログで書いた対応案はこうです。
「私はあなたに死んでほしいなど思っていません。私は人に死んでほしいとは思わないのでそれは私に対する侮辱です。撤回していただけますか」
この切り替え方ともう一つ有効な方法があるので紹介いたします。「俺に死ねと言うのか」に対して、
「そんなこと言ってませんよ。で、すぐにお支払いをいただきますね」
このようにあっさりと切り返していくやり方です。まったく感情を廃して聞く耳を持たないやりかたで、事務的に進めていくことで「こいつには言っても無駄だ」と根負けさせていく方法です。最終的には話を全く聞かずにシャットアウトする方法もありますが、まずはこのような「あっさり」とした切り返し方をお勧めします。簡単なことですが、だからこそ効果的です。
先々週から来週にかけて配信しているクレーム対応の動画シリーズを昨日までで6本YOUTUBEにUPしていますので是非ご覧ください。下にリンクを貼りました。
来週は7話、8話を月曜、木曜に配信します。
第1話 クレーム対応の歴史と「クレーム対応3.0」
第2話 クレーム対応 ピンチはチャンス
第3話 お客様は神様ではない お客様は王様
第4話 もはやお客様満足だけではない
第5話 やってはいけない全面謝罪
第6話 解決しようがない問題への対応
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