先日、今週金曜日のコンプライアンス研修のテキストを作っていました。不祥事を繰り返す組織と言うのは似たようなパターンがあります。今回、事例として出すのは三菱自動車、日本相撲協会、東京女子医大、日本大学です。
三菱自動車
2000年 大量のリコール隠し
2002年 大型トラックタイヤ脱落事故(3名の死傷者)
2016年 燃費データ改ざん事件
日本相撲協会
2007年 時津風部屋リンチ殺人事件
2010年 野球とばく事件
2011年 八百長事件
2017年 日馬富士から貴ノ岩への暴力事件
2018年 貴ノ岩から付き人への暴力事件
2020年 中川部屋暴力事件
東京女子医大
2001年 医療事故隠ぺい事件 特定機能病院指定取り消し
2007年 特定機能病院再承認
2015年 子どもに使えない麻酔薬の大量投与による男児死亡事件
2度目の特定機能病院指定取り消し
2019年 3年度連続の巨額赤字
2020年 コロナ禍における更なる赤字と職員への待遇問題(ボーナスの減額と大量退職希望の発生)
日本大学
2018年 アメフト部悪質タックル事件
2020年 ラグビー部暴力・パワハラ事件
どこも再発防止がされず、似たような曲線を描いています。
共通項を考えていくと4つのポイントが見えます。
1.パワハラ体質
2.隠ぺい気質
3.危機管理体制の不備
4.コミュニケーションへの理解
このようなところを改善していく必要があると見ています。
組織の体質が変わらない限りいつまで経っても同じような不祥事は繰り返します。
風通しの良い、誰もが言いたいことを言える環境を作ることこそがコンプライアンスが浸透した組織と言えます。
私が学生時代には(25年以前)すでにセクシャルハラスメント(セクハラ)、パワーハラスメント(パワハラ)という言葉がありました。また、知っている方が妻子ある権力のある大学教授から執拗に迫られて困っているという相談に乗ったことがありますが、大学などでのハラスメントをアカデミックハラスメント(アカハラ)というのをその時に知りましたので、25年以上前にセクハラ・パワハラ以外の言葉が存在していたことになります。
その他、ここ数年で耳にしたのは「アルハラ」「テクハラ」「ジェンハラ」「マタハラ」「ウェブハラ」「ハラハラ」「カスハラ」などです。皆様、いくつ分かりますか?
アルハラはアルコールハラスメントです。お酒の強要や「俺の注いだ酒が飲めないのか」です。
テクハラはテクノロジーハラスメントです。これは下の立場の人から上の立場の人に使われる場合があり、「こんなPC作業もできないレベルなんですか」とバカにするような話をするケースが該当します。
ジェンハラはジェンダーハラスメントです。男性に対して「もっと男らしく堂々とできないのか」「女性なんだからもっとおしとやかにしないと」といった具合です。
マタハラはマタニティハラスメントです。妊娠したことによって仕事量を減らしたり、休暇を取る人へ嫌味をいうことを指します。
ウェブハラはウェブサイトなどに「株式会社〇〇の××は変態です。」などと書き込むウェブハラスメントです。筆者は昔、「キザ野郎」と書き込まれて結構凹んでしまいました。
ハラハラはハラスメントハラスメントです。やたらと上司に向かって「それってハラスメントですよね」と決めつけてくるハラスメントです。
カスハラはカスタマーハラスメントです。お客様による店員いじめです。お客様は神様であるという間違った考え方に起因しています。
何を言うにしてもコミュニケーションが取れていればハラスメントと取られないものです。しっかりと平素からコミュニケーションを取り、一人ひとりの相手のことを思いやり、その人に合わせた誠実な応対を心がけていくことが大事と言えます。
本日は動画配信の月曜日です。
「社会的手抜き」という言葉をご存知でしょうか?100%力を出しているように思っていても実は人は手を抜く生き物だということは100年以上前から分かっていることです。無意識で手抜きをしてしまうのが人です。それを分かっていなければいつまで経ってもコンプライアンス違反やミスは無くなりません。そのような話をしています。
4分程度の動画です。ご覧ください。
コンプライアンスについて[8回シリーズ/第5回]人は手抜きをする生き物
今回で3部作のお話の最後です。私なりにコンプライアンス意識に必要な美意識が身についたことを感じられた話です。
昔勤務していた創業1年9か月の最速上場記録を持つ伝説の賃貸保証とファンド会社・リプラスに同期入社して共に精進した仲間が、現在は島根県で起業していて久しぶりに会いたかった、また業務提携の話をしたく2年ほど前に島根県浜田市まで向かいました。
せっかくなので島根まで行く際、日本一人気のお庭の足立美術館、月山富田城(がっさんとだじょう)、黄泉平坂(よもつひらさか)、出雲大社、稲佐の浜(いなさのはま)と巡りたかったので、鳥取県米子市で一泊し、早朝に月山富田城を見学後、足立美術館に参りました。
それは噂に聞く見事なお庭で、堪能させていただきましたのですが、それ以上に衝撃的な出来事がありました。
美術館なので当然絵の展示がされている中、一人の作家の絵になぜか懐かしさを感じました。望郷の念というのでしょうか、そのような何かを強く感じたのです。
作家の名前は西田俊英(にしだしゅんえい)さん。経歴を見ると「三重県立宇治山田高等学校卒」
母校の先輩やん!
同郷で同じ高校で若き頃を過ごした方の絵にそのような感情を持てたことに新鮮な感動を覚えました。
美意識が私なりにより身に付いたのかと感じた3つの話をしました。お付き合いいただきありがとうございました。私は数多くの自治体や企業でコンプライアンスの研修講師をしているのですが、今回のブログ投稿はそのような立場である自分自身の成長を赤裸々に書くことで、私自身が持つべき美意識の成長を確かめることができたと思います。
誰もが健全に働いていくことができればと私は思います。そのためにコンプライアンス意識を高めていくよう世に働きかけていきたい。それを支えるのは美意識です。それを世の中に伝えていきたいと強く思っています。
本日は動画配信の木曜日です。本日は「ヒヤリハットの法則」について話しています。
1つの重大事故の下に29の軽微な事故があり、その下に「ヒヤッとした」「ハッとした」という法則性があります。この法則に基づき、いかに重大な事故を発生させないかを考えていくためにはどうすればいいのかについて述べています。
4分ほどの動画ですのでご覧ください。
コンプライアンス意識を高めていくための話題を続けています。
家内の影響を受け、西洋美術鑑賞が好きになりコンプライアンス意識を高めるために必要な美意識を持てるようになった3つの話の2つ目をします。
2016年12月、伊勢商工会議所で弊社によるセミナーを実施しました。その会場に飾ってある縦3メートル横2メートルくらいある絵画に目が留まりました。「これ絶対見たことある!」と感じました。

作者名を見て理由が分かりました。
奥行彦氏 高校2年の時のクラス担任で美術の先生でした。
彼の絵そのものは見た覚えがないのですが、高校2年の美術の授業で「千代紙」の柄をつくるという課題があったときに、この絵に近いものをたくさん目にした記憶が蘇りました。その時の彼の指導の影響なのか、この絵に影響を受けたような千代紙の柄をクラスメイト達が描いていたのです。
人は見えるものを見ているのではなく、見たいものを見ます。意識が無いと何回見ても目に入っても見えません。この時は「ああ、私は美に対する意識を今、持てているからこの絵を誰が描いたのかを感じたんだ」と思いました。
残念ながら奥先生は既に他界されてましたが、伊勢商工会議所に先生の作品はいきいきとした姿を残されています。私も私の生きた証をノウハウとして普及し、残していきたい次第です。
本日は動画配信の月曜日です。コンプライアンス意識の根底を支えるのは美意識です。
ブログでも美意識について最近書いておりますが、本日は動画でお伝えしていきます。
私の場合、祖母と配偶者の存在が大きいです。「和風の美」が大好物になったのはこの二人の影響です。神社、お寺、お城、歴史、絵画、茶道具、仏像、庭園などが大好きです。伊勢で生まれ育ち、京都で青春時代を過ごせたこと、東京で数多くのものを10年で見れたことは心情面における私の財産だと思っております。美意識を鍛えたことは「正しいことをする判断力」に繋がりました。
では動画をご覧ください。4分程度です。
今日もコンプライアンス意識を焚けめていくための美意識の大切さを話します。来週月曜日の動画ではコンプライアンスの根底は美意識を持つことであることを話します。
家内と出会ってから私の美意識や審美眼が上がっていったという話は先日しましたが、この10年でその成果を感じた話を3つのうちの1つ目をします。
茶碗 馬蝗絆(ばこうはん)
茶道は薄茶をかじった程度で、高校・大学の時に数回お茶室で茶会をしたくらいですが、道具フェチなので茶器が好きで茶器を鑑賞することは趣味の一つです。
昔、この世のものとは思えない綺麗な青い器である馬蝗絆というものがあると聞いていました。以前より一度拝見したいなと思っていましたが、馬蝗絆は突然私の目に留まりました。
8年ほど前ですか、東京・三越前の乾物屋で昆布と鰹節を買ったら三井記念美術館の割引券をいただいたので、折角だからと見に行きました。
館内に入って少ししたら40メートルくらい向こうに「鮮やかに輝く青い何か」が私の目に入ってきました。「もしや、馬蝗絆か」と感じたらやはりそうでした。突然出会ってしまいました。下の写真が馬蝗絆です。

写真ではあの美しさが伝わらないですね。東京国立博物館蔵で、茶の湯系の展示がある場合に良く出展されるようですので是非本物をご覧いただきたい。これは人間が作った美の極致の一つです。
これを40メートル離れたところから認識できた自分の美意識の成長に大きな喜びを感じました。確実に審美眼が磨かれたことを強く感じました。
最終的に正しくものを見れるか、正しい判断ができるかどうかはこのような美意識、プロ意識、問題意識を持てるかどうかだと思います。コンプライアンス意識を持つために、正しく仕事をしていくために必要なことだと強く感じています。
本日は動画配信の木曜日です。コンプライアンスについてのシリーズ第2回目。「公正公平な対応」です。不当な要求には決して屈してはなりません。実際に不当な要求、社会通念を踏み越えた特別扱いをしてしまうとどうなるかを事例を通してお伝えします。
昨日は本当のコンプライアンス意識を持つための美意識について書きましたがその続編です。
家内と知り合い14年、結婚して13年になります。家内は大学で「美術史鑑賞学」を専攻していたので西洋美術の造詣が深く、またグラフィックデザイナーが生業なので美的センスが非常に高いです。
私は神社・寺・城・庭は以前より大好物でしたが、家内からは絵画について影響を受けました。西洋美術と言えば大学の時に京都で話題になったピカソ展と、28歳くらいの時にチケットを貰ったから行ったレンブラント展しか行ったことがありませんでしたが、交際が始まってから良く美術館に行くようになりました。
特に家内はフェルメールが大好きで、私も大のフェルメールファンになりました。
レンブラントの絵の持つ迫力、レンブラントの緻密な光の表現は対比的ですが、動と静の双極のような感じで両方とも好きです。以前調べてみたらこの二人は同じオランダのバロック期の同時代を過ごしているのですね。二人の絵を並べてみました。対極的なのが良く分かります。

レンブラント 夜警
フェルメール 牛乳を注ぐ女
興味を持って絵画などに触れると私程度の者でも審美眼はついていったようです。明日は動画配信の話になりますが、明後日より私なりに審美眼が身についていったのかなといった3つの出来事を書きます。